【概要】
岩津ねぎは兵庫県朝来市岩津地区で栽培される伝統野菜で、江戸時代から作られてきたと伝わり、享和3年(1803年)にはすでに名産として記されていたとされます。白い部分と緑の部分の両方が美味しく食べられるのが特徴で、甘みが強く柔らかいのが魅力です。冬の限られた期間のみ出荷される希少なネギとして珍重されています。
【歴史】
岩津ねぎは兵庫県朝来市にある岩津の一帯で育まれてきた特産のねぎで、江戸時代に生野代官所への贈答用として栽培が始まったと伝えられています。当時の生野銀山で働く人々にとっては、冬を越すための貴重な栄養源としても重宝されました。昭和期には皇室への献上も行われ、関西では高級ねぎとして名を知られる存在になっています。現在も市内で栽培されたものだけが岩津ねぎを名乗ることができます。
【特徴】
青葉から白根まで余すところなく食べられるのが岩津ねぎの持ち味で、肉質はとても柔らかく、火を通すほどに甘みが増していきます。関東で好まれる根深ねぎと関西の葉ねぎの中間にあたる中間種で、白い部分と緑の部分の両方をおいしく味わえるのが強みです。冬の寒さに当たることで甘みととろみがいっそう深まり、鍋料理に入れるととろけるような食感を楽しめます。
【食べ方】
すき焼きや鍋物との相性は抜群で、とろりとした食感と濃い甘みを存分に味わえます。天ぷらや焼きねぎにしてもおいしく、シンプルな調理ほど持ち味が引き立ちます。地元では勤労感謝の日にあたる11月23日が販売解禁日と決められており、春分の日の3月21日頃までの冬季限定で出荷されています。市内の道の駅や直売所のほか、通信販売でも購入することができます。
【トリビア】
他の土地で同じ種をまいても岩津ねぎ特有の風味にはならないといわれ、昼夜の寒暖差や霧が多い岩津地区の気候風土が味の決め手になっていると考えられています。日本三大ねぎの一つに数えられますが、下仁田ねぎや博多万能ねぎに比べると生産量が少なく、幻のねぎと呼ばれるほどの希少性があります。解禁日には出荷式が行われ、冬の訪れを告げる風物詩となっています。
