【概要】
竜ヶ岳は、三重県いなべ市にある標高約1,099メートルの山で、鈴鹿山脈の中部にそびえています。山頂一帯はクマザサの笹原に覆われ、そこに点在するシロヤシオが五月に白い花をつけると、まるで羊の群れが草原で草をはんでいるように見えることで知られています。北側が石灰岩、南側が花崗岩という対照的な地質を持ち、なだらかな櫛形の山容と大きく開けた展望が魅力の山です。
【歴史】
竜ヶ岳という名は、郷土資料の『員弁史談』に記された、昔この地の豪族が竜神を祀って雨乞いの祭りを行ったという故事に由来するとされています。古くから雨を願って登拝された山で、山名にも信仰の記憶が残ります。1968年には山域が鈴鹿国定公園に指定され、1964年に始まった鈴鹿セブンマウンテンの登山大会を通じて、その名は広く知られるようになりました。
【特徴】
竜ヶ岳はホタガ谷の付近を境に、北側が石灰岩、南側が花崗岩という対照的な地質を持つ山です。石灰岩質のホタガ谷は谷の上部まで水が流れ、花崗岩側では風化が進んだ斜面も見られます。山容は角の丸い櫛形で穏やかに見え、山頂一帯はクマザサの笹原に覆われているため、三重県いなべ市の平野部から伊勢湾まで視界が大きく開けます。
【見どころ】
竜ヶ岳の代名詞は「シロヤシオの羊」と呼ばれる風景です。笹原に点々と生えるシロヤシオが五月中旬から下旬にかけて白い花をつけると、遠目には羊の群れが草をはんでいるように見えます。秋にはシロヤシオが赤く色づき、ススキが揺れる笹原も美しく、宇賀渓から遠足尾根をたどる道は尾根に出てからの眺めがよく、人気を集めています。
【トリビア】
竜ヶ岳の表道には「重ね岩」と呼ばれる花崗岩の巨石が積み重なり、登りの途中のよい目印になっています。また竜ヶ岳は、2015年に東近江市が市制十周年を記念して選んだ鈴鹿10座の一座にも数えられており、三重県側と滋賀県側の双方から親しまれてきました。登山道の状況は季節や天候で変わるため、出かける前の確認が欠かせません。




