【概要】
名古屋城下町の中心的な寺院で、大須商店街のシンボルです。もとは美濃国(岐阜県)にありましたが、徳川家康の命により現在地に移転されました。学問の神様としても信仰され、国宝の「古事記」写本など貴重な典籍を所蔵しています。
【歴史】
愛知県名古屋市にある真言宗智山派の寺院で、正式には北野山真福寺宝生院といい、大須観音(寶生院)の名で広く親しまれています。元亨4年(1324年)、後醍醐天皇の勅願により能信上人が尾張国長岡庄大須(現在の羽島市桑原町)に開いたのが始まりです。慶長17年(1612年)には徳川家康の命により、清須越と呼ばれる城下の移転に合わせて現在の地へ移されました。
【特徴】
本尊は聖観音で、弘法大師の作と伝わる秘仏として大切に守られています。境内にある大須文庫には約1万5000冊にのぼる古典籍が収蔵され、なかでも現存最古の『古事記』写本である真福寺本は国宝に指定されています。昭和20年(1945年)3月の空襲で伽藍を焼失しましたが、昭和45年(1970年)に鉄筋コンクリート造の本堂が再建され、戦後の復興とともに往時の賑わいを取り戻しました。
【見どころ】
毎月18日と28日には境内で骨董市が開かれ、掘り出し物を探す人々で朝から賑わいます。2月3日の節分会では鬼追いの行事と豆まきが行われ、大勢の参拝者が福を求めて集まります。門前から広がる大須商店街は名古屋を代表する商業地で、電気街や古着屋、多国籍の飲食店が軒を連ね、下町らしさと若者文化が混じり合う独特の空気から名古屋の原宿とも称され、若い世代にも人気があります。
【トリビア】
国宝の真福寺本『古事記』は、南北朝時代の1371年から翌年にかけて僧の賢瑜が書写したもので、現存する写本のなかで最も古いものとして知られています。家康が寺を名古屋へ移した理由の一つには、木曽川の氾濫から貴重な典籍を守るねらいがあったといわれています。境内には多くの鳩が集まり、豆をまく人の姿は、大須ならではのおおらかな日常風景として親しまれています。




