沖宮

(おきのぐう)
📍 沖縄県 那覇市🏯 歴史🎭 文化

【概要】

沖宮は、沖縄県那覇市にある奥武山の一角に鎮座する琉球八社の一社です。那覇港の海中から光を放つ霊木が上がり、これを熊野権現の霊木として社を建てたという由緒を伝えます。港の築港工事や戦災のたびに場所を移し、いまの奥武山公園内に落ち着いたのは昭和五十年のことでした。天受久女龍宮王御神を主祭神として祀り、海と港の守り神として親しまれています。

【歴史】

沖宮の創建の由緒は詳らかではありませんが、1713年に編まれた『琉球国由来記』には、那覇港の海中から光を放つ霊木が上がり、これを熊野権現の霊木として社寺を建てたと記されています。もとは那覇の埠頭に鎮座していましたが、明治四十一年(1908年)の築港工事にともなって安里の地へ遷り、戦後にさらに移って現在地に至ります。

【特徴】

主祭神は天受久女龍宮王御神で天照大御神にあたるとされ、天龍大御神や天久臣乙女王御神、熊野三神もあわせて祀られます。沖宮の境内は奥武山の森にいだかれ、霊峰と仰がれる天燈山の麓に社殿が構えられています。琉球八社のなかでも海と港の守りという性格が濃く、那覇港に出入りする船の安全や漁の無事を願う祈りが長く重ねられてきた社です。

【見どころ】

参道から社殿へ進むと、背後の天燈山へ上がる道が分かれ、山上には古い祈りの場である御嶽が守られています。沖宮の境内は樹々が深く、市街地のただなかにいることを忘れさせる静けさがあります。奥武山は運動公園としても親しまれる島で、橋を渡って訪ねる立地そのものが、海に開けた社の由緒を物語っています。石段や参道の脇では亜熱帯の植物が茂ります。

【トリビア】

沖宮の旧本殿は古式をよく伝える建築として、昭和十三年(1938年)に建築史家の伊東忠太の推挙によって国宝に指定されました。しかし沖縄戦で焼失し、戦後は昭和三十六年(1961年)に通堂町へ仮に遷ったのち、昭和五十年(1975年)に奥武山公園内の現在地へ遷座しています。明治の築港移転を含めて三度も社地を移した、流転の歴史をもつ社です。

📅 最終更新: 2026/9/14
沖宮
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です