【概要】
小笠原諸島は東京都小笠原村に属し、東京から南へおよそ1,000km離れた太平洋に浮かぶ島々です。誕生から一度も大陸と陸続きになったことのない海洋島で、海を越えてたどり着いた生きものが独自の進化を遂げたことから、東洋のガラパゴスとも呼ばれます。2011年に世界自然遺産に登録され、陸にすむ貝類が暮らす場所に応じて多くの種に分かれていった姿が、進化の過程を示す例として評価されました。
【歴史】
小笠原諸島には長く定住する人がいませんでしたが、1830年に欧米系の人々とハワイの人々が父島に移り住みました。1876年に日本の領有が各国に認められ、第二次世界大戦の後はアメリカの施政下に置かれて、1968年に日本へ返還されています。世界自然遺産には2011年6月に登録され、屋久島、白神山地、知床に続く国内4番目の自然遺産となりました。
【特徴】
大陸から遠く離れた小笠原諸島では、海を渡ってたどり着けた生きものが限られ、そこから島ごとに独自の種が生まれました。植物や昆虫、陸にすむ貝類に固有種が多く、陸の哺乳類で古くからすんでいるのはオガサワラオオコウモリだけとされます。登録では、カタマイマイの仲間などの陸産貝類が、樹上や地上といった暮らす場所に応じて多くの種へ分かれた適応放散が、今も続く進化の例として評価されました。
【見どころ】
島へは東京の竹芝桟橋から出る定期船で片道およそ24時間かかり、空港はありません。父島の二見港に着くと、ボニンブルーと呼ばれる深い青の海が迎えてくれます。父島の南西に浮かぶ南島は、石灰岩の地形が海に沈んでできた入り江や扇池の白い砂浜で知られ、東京都のルールのもとでガイドの同行が求められます。冬から春にはザトウクジラが近海に姿を見せます。運航や利用のルールは変わることがあります。
【トリビア】
英語名のボニン・アイランズは、無人島を意味する「ぶにん」がなまったものとされます。人が持ち込んだノヤギやグリーンアノールなどの外来種は、固有の植物や昆虫を脅かしてきました。そのため島では駆除や侵入を防ぐ取り組みが続き、船着き場や山道の入り口には、靴の泥や植物の種を落としてから歩き出すためのマットやブラシが置かれています。
