【概要】
篠ノ井線姨捨駅付近からの車窓は、善光寺平(長野盆地)を一望できる雄大なパノラマが広がる。全国的にも珍しいスイッチバック駅であり、ホームからの景色は「足元に広がる」感覚を覚える。夜景の美しさでも知られ、「日本夜景遺産」にも認定されている。
【歴史】
姨捨(篠ノ井線)は、長野県千曲市にある姨捨駅の付近から善光寺平を見下ろす車窓で、狩勝峠、矢岳越えと並んで日本三大車窓の一つに数えられてきました。姨捨駅は1900年(明治33年)11月に開業し、篠ノ井線は1902年(明治35年)に全線が開通しています。峠越えの険しい地形を克服するために工夫を重ねて敷設された路線であり、眼下に開ける眺望は早くから旅人の評判を集めました。
【特徴】
姨捨駅の最大の特徴は、本線から分かれた行き止まりのホームへ列車が入るスイッチバック構造です。列車はいったん本線を通り過ぎてから後退してホームに入り、再び向きを変えて発車していきます。駅の標高はおよそ547メートルで、ホームからは長野盆地と、その奥に連なる山並みを一望できます。旅客の乗り降りが続くスイッチバック駅は全国でも数少なく、鉄道遺産としての価値も高いとされています。
【見どころ】
眼下に広がる姨捨の棚田はおよそ1500枚といわれ、1999年に国の名勝、2010年に国の重要文化的景観となり、2020年には日本遺産の構成文化財にも位置づけられました。水を張った初夏の水面それぞれに月が映る田毎の月は、古くから人々の憧れた景色です。姨捨駅は日本夜景遺産にも認定され、盆地に散る灯りを味わう夜景ツアーや臨時列車も運行され、秋の稲穂が色づく季節も格別です。
【トリビア】
姨捨という地名は、年老いた人を山に置き去りにしたという伝説に由来すると伝わり、平安時代の物語集にもその話が採られています。松尾芭蕉も更級の月を訪ねて紀行文を残したとされ、月の名所としての評判は江戸時代に広く知られました。三大車窓のうち今も列車から眺められるのはここだけで、観光列車は停車時間を長めに取って乗客に絶景を楽しませており、訪れる鉄道ファンは後を絶ちません。




