【概要】
長野県北部の野沢温泉は、奈良時代の聖武天皇の頃に行基が見つけたとも伝わる名湯です。鎌倉時代には「犬養の御湯」の名で知られ、秋保温泉・別所温泉とともに日本三御湯に数えられました。現在も地域住民の「湯仲間」によって管理される13の外湯(共同浴場)が点在し、温泉情緒あふれる街並みが魅力です。国の重要無形民俗文化財である「道祖神祭り」でも知られています。
【歴史】
野沢温泉は長野県野沢温泉村にある湯で、奈良時代に見つけられたと伝わり、鎌倉時代には「犬養の御湯」の名で知られていました。秋保温泉や別所温泉とともに日本三御湯に数えられ、皇室にゆかりのある格式ある名湯として扱われてきました。江戸時代には湯治場としてにぎわい、村人たちが共同で湯を守り継ぐ仕組みが受け継がれ、今日の外湯の文化を支える土台となっています。
【特徴】
野沢温泉の泉質は硫黄泉で、源泉の温度は四十二度から九十度と高く、湧き出す湯の量も豊富です。温泉街の一角にある「麻釜(おがま)」は煮え立つほど熱い湯が絶えず湧き出す共同の場で、かつては麻を茹でるために使われ、今は野菜を茹でたり温泉卵を作ったりと、暮らしに直結した使われ方が続いています。野沢温泉は野沢菜の名を生んだ土地としても広く知られています。
【見どころ】
村内には十三の共同浴場が点在し、「湯仲間」と呼ばれる住民の組織が代々にわたって管理を担ってきました。入浴は寸志を納める形式で、木造の簡素な湯屋が街のあちこちに並ぶ光景は、生活に深く根づいた温泉の姿そのものです。中心に立つ「大湯」は湯屋建築の美しさで野沢温泉の象徴とされ、背後の斜面には広大なスキー場が広がり、滑ったあとの外湯めぐりも定番です。
【トリビア】
毎年一月十五日に行われる道祖神祭りは国の重要無形民俗文化財に指定され、日本三大火祭りの一つにも数えられています。数え四十二歳と二十五歳の厄年の男たちが社殿を守り、村人たちが松明を手に火を付けようと攻め込む攻防は圧巻の迫力です。最寄りのJR飯山駅からはバスでおよそ二十五分で、北陸新幹線の開業により首都圏からの往来もぐんと近くなりました。
