【概要】
大阪市福島区を代表する「野田の藤」は、約600年前の室町時代から名所として知られ、江戸時代には「吉野の桜、高雄の紅葉」と並ぶ三大名所と謳われました。植物学者の牧野富太郎が「ノダフジ」と命名した起点であり、高貴な紫色の花が優美に咲き誇ります。
【歴史】
野田の藤は鎌倉時代初期にはすでに自生しており、深い入り江の疎林に沿って数百年かけて広がりました。足利義詮が歌を詠んだり、豊臣秀吉が千利休と共に茶会を催すなど時の権力者にも愛されました。戦災で多くが焼失しましたが、地元住民の尽力で復興しました。
【特徴】
日本に自生する藤の固有種で、つるが時計回り(右巻き)に伸びるのが特徴です(ヤマフジは左巻き)。長さ20cmから1mにもなる房状の美しい花をつけ、薄紫色の高貴な雰囲気と優雅な姿から、家紋や様々な意匠などのデザインにも多く用いられてきました。
【見どころ】
発祥の地とされる春日神社や、下福島公園など、福島区内の各所に藤棚が整備されています。4月中旬の大藤の開花時期には「のだふじ巡り」として、街を歩きながら街角の至る所で揺れる美しい薄紫の花と香りを楽しむことができます。
【トリビア】
2024年7月から発行された新しい5000円紙幣の裏面デザインには、この「野田藤」が採用されました。区の花として街のシンボルとなっており、JR野田駅周辺の表示やマンホールなど、生活のあちこちで藤のモチーフを見つけることができます。
📅 最終更新: 2026/3/27




