西郷

(にしごう)
📍 兵庫県 神戸市灘区🍶 お酒🥢 名産

【概要】

西郷は兵庫県神戸市灘区にある新在家・大石の一帯を占め、灘五郷でいちばん西に位置する郷です。享保2年(1717年)に米屋から酒造りを始めた沢の鶴が本拠を置き、江戸末期の酒蔵を公開する沢の鶴資料館があります。蔵の数は五郷のなかで最も少ないものの、江戸時代の上灘西組から続く酒造地の系譜を今に伝えており、六甲山地が海へ迫る地形も特徴です。

【歴史】

西郷は、文政11年(1828年)に上灘郷が三つに分かれたときの上灘西組にあたり、新在家と大石の蔵が中心でした。沢の鶴は享保2年(1717年)に米屋を営んでいた初代が酒造りを手がけたことに始まり、商標の「※」は米を表す印に由来するとされます。郷の範囲だった武庫郡西郷町は昭和4年(1929年)に神戸市へ編入され、現在は神戸市灘区の一部になっています。

【特徴】

西郷は灘五郷の西端にあり、五つの郷のなかでも蔵の数が少ない郷です。灘五郷酒造組合にこの郷から名を連ねる沢の鶴は、丹波杜氏の技を受け継ぎながら宮水と兵庫県産の山田錦を使った酒造りを続けています。阪神・淡路大震災では新在家や大石の蔵も大きな被害を受け、再建された蔵と、そのまま姿を消した蔵とに分かれることになりました。

【見どころ】

西郷を訪ねるなら沢の鶴資料館です。江戸時代末期に建てられた酒蔵をそのまま使った施設で、昭和53年(1978年)に公開され、昭和55年(1980年)に兵庫県の有形民俗文化財に指定されました。1995年の阪神・淡路大震災で全壊しましたが、免震の仕組みを取り入れて1999年に再建され、昔の酒造道具や仕込みの工程を伝えています。開館日や見学の条件は変わります。

【トリビア】

沢の鶴の商標である「※」は、米屋として出発した歴史を映した印で、米という字を図案化したものと言われます。また西郷の蔵は六甲山地の斜面が海へ迫る地形にあり、山から下る急流を水車精米に使えたことが灘の酒造りを押し上げました。震災からの復興にあたっては、木造の建物に免震構造を採り入れた国内で初めての例とされる工法が資料館で用いられました。

📅 最終更新: 2026/9/13
西郷
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です