【概要】
根子岳は、阿蘇五岳の東端に立つ標高千四百三十三メートルの山です。熊本県高森町にあり、稜線に鋸の歯のような岩峰が連なる独特の姿で、どこから見てもとがった輪郭に見えることから七面山とも呼ばれてきました。最高点の天狗峰は岩登りの技術がないと立てない険しい岩峰で、一般の登山者は三角点のある東峰までを目指すのが普通になっています。
【歴史】
熊本県高森町にある根子岳は、阿蘇の中央火口丘群のなかでも古い時期にできた火山です。長い年月のあいだに雨や風で削られ、もとの山体の硬い部分だけが岩峰となって残りました。ギザギザの山容については、神が怒って山を蹴り崩したという言い伝えが残されています。山の名は、とがった稜線が猫の背に似ているからとも、年老いた猫が集まる山とされたからとも語られてきました。
【特徴】
東峰と天狗峰のあいだの稜線には、鋸の歯のような岩峰がいくつも連続します。最高点の天狗峰は千四百三十三メートル、東峰には千四百八・一メートルの三角点が置かれています。岩はもろく崩れやすいため、天狗峰へ向かう区間は一般向けの登山道として扱われていません。山腹は灌木と草地に覆われ、根子岳はほかの四峰から東へ離れた独立した姿でそびえています。
【見どころ】
根子岳は、北の外輪山から阿蘇五岳を眺めたときに涅槃像の顔にあたる峰とされ、そのとがった輪郭が横顔をつくります。東峰に立つと目の前に天狗峰の岩壁が屏風のように立ち上がり、五岳のほかの峰とはまったく違う荒々しさを間近で見上げられます。ただし登山道は崩落や亀裂のため通行止めになる区間があり、出かける前に高森町などの最新情報を確かめてください。
【トリビア】
根子岳は猫にまつわる伝説が多く、猫岳とも呼ばれて、年を取った猫が集まって術を学ぶ山だという話が各地に伝えられてきました。七面山という別名は、どの方向から見ても同じようにとがって見えることに由来するといわれます。二〇一六年の熊本地震とその後の豪雨では山腹に崩れや亀裂が生じ、麓から東峰へ向かう尾根道の一部が長く閉ざされることになりました。




