【概要】
男体山は栃木県日光市にある標高2486メートルの成層火山で、中禅寺湖の北岸に整った円錐形の山体をそびえさせています。日光二荒山神社が神体山としてあおぐ山で、山頂には奥宮と天を指す大剣が立ちます。奈良時代に勝道上人が初めて頂に立ったと伝わる信仰の山であり、日本百名山のひとつとしても多くの登山者を迎えてきました。
【歴史】
男体山の開山は、下野国に生まれた僧の勝道上人によると伝えられます。上人は天平神護二年に大谷川の北岸へ四本竜寺を開き、神護景雲元年に初めて登頂を試みましたが果たせず、二度目の挑戦も雪と風に退けられました。そして天応二年、三度目にしてついに頂へ立ち、そこに二荒山神社の奥宮をまつったと伝わります。以後この山は日光の信仰の中心として、今日まであおがれ続けてきました。
【特徴】
男体山は日光火山群に属する成層火山で、標高は2486メートル、山頂近くに置かれた三角点は2484メートルあまりを示します。裾を長く引いた円錐形の姿は中禅寺湖の対岸からよく望めます。この山の活動期に流れ出た溶岩が太古の大谷川をせき止めたことで中禅寺湖が生まれ、北側の戦場ヶ原もかつての堰止湖の跡とされています。
【見どころ】
登山口は湖畔に建つ二荒山神社中宮祠で、境内の登拝門をくぐって頂を目指す登拝の形が今も守られています。登る人は中宮祠で受付をしてから入山し、冬のあいだは門が閉ざされます。開門の期間や受付の時間は年によって改められるため、出かける前に神社の案内を確かめてください。頂からは中禅寺湖と関東平野を一望できます。
【トリビア】
山頂に立つ大剣は明治十年に鉄で作られたもので、長さは三メートル半ほど、幅は十五センチほどありました。刃は神々が争ったと伝わる上州の赤城山へ向けられていたといいます。この鉄剣は平成二十四年に折れてしまい、のちにステンレス製の剣が据えられました。夏の登拝大祭のあいだは深夜に門が開かれ、大勢の登拝者が暗いうちから頂を目指すならわしが今も続いています。




