【概要】
中岳は、阿蘇五岳のなかで唯一いまも活動を続ける活火山で、標高は千五百六メートルです。南北に並ぶ七つの火口跡のうち北端の第一火口だけが活動しており、底には湯だまりと呼ばれる湯の池が現れることがあります。火口の周辺は火山ガスや噴石の危険があるため火山活動に応じて立入りが規制され、見学できるかどうかはその時々で変わります。
【歴史】
中岳は阿蘇の中央火口丘群のなかでも新しい火山で、現在の火口列は北から南へ並ぶ七つの火口跡でできています。記録に残る噴火は古代から数え切れないほどあり、近年では二〇一六年十月八日に三十六年ぶりの爆発的噴火が起こって噴煙が高さ一万一千メートルに達しました。二〇二一年十月二十日にも噴火し、火砕流が火口の北側と南西側の斜面を流れ下っています。
【特徴】
熊本県阿蘇市にある中岳のうち、いま活動しているのは北端の第一火口だけです。火口の底には湯だまりと呼ばれる緑色の湯の池ができ、活動が活発になると水位が下がったり消えたりするため、火山の状態をはかる目安として観測が続けられています。噴き上がる火山ガスには二酸化硫黄が多く含まれ、風向きによっては周囲の草木を枯らすほどの濃さになります。
【見どころ】
中岳の火口は、活動が落ち着いている時期には火口壁に設けられた展望所から底をのぞき込めます。ただし規制は火山活動に合わせて出たり解けたりするため、出かける前に最新の規制情報を確かめておく必要があります。火口の南に広がる砂千里ヶ浜は黒い火山砂に覆われた平地で、木道の先から高岳へ続く道が延び、火口を見下ろしながら稜線を歩けます。
【トリビア】
火口へ向かう阿蘇山公園道路は有料の自動車道で、噴火警戒レベルが上がると通行が止められます。かつては山上から火口の近くまでロープウェーが通っていましたが、二〇一六年の地震と噴火で設備が傷み、六十年あまりの歴史に幕を閉じて撤去されました。火口の周辺には噴石から身を守るためのコンクリート製の退避壕が点在し、活動する火山に近づく場所ならではの備えになっています。




