鍋島緞通

(なべしまだんつう)
📍 佐賀県 佐賀市🥢 名産🎭 文化📦 その他

【概要】

鍋島緞通は、佐賀県で生産される日本最古の木綿緞通。江戸時代に佐賀藩(鍋島藩)の御用品として保護・奨励され、将軍家への献上品ともされた。「蟹牡丹(かにぼたん)」などの格調高い文様と、肌触りの良さが特徴。

【歴史】

鍋島緞通は、江戸時代の元禄期にあたる1688年から1704年ごろ、佐賀城下の郊外にあった扇町村で織り始められたと伝わります。農民の古賀清右衛門が、異国の織り方を知る使用人に試しに織らせたところ見事な出来だったため、みずから技を学んで近隣の家々に伝えたといいます。やがて佐賀藩3代藩主の鍋島綱茂がこの技術を保護し、藩の御用品として大切に扱われるようになりました。

【特徴】

鍋島緞通は、木綿の縦糸に木綿のパイル糸を結び付けて織る敷物で、素材を木綿で通す点に大きな特色があります。佐賀県佐賀市に伝わる技法では、白石の干拓地で育った上質の綿が用いられてきたといいます。代表的な図柄は、大輪の牡丹を蟹がはさみを振り上げた姿に見立てて名づけられた「蟹牡丹」で、七宝つなぎや雷文の縁取りが加わり、格調の高い一枚に仕上がります。藍や茜など落ち着いた色合いも持ち味です。

【見どころ】

鍋島緞通は、一枚を織り上げるのに数か月から一年を要することもある手仕事で、今も市内の工房で織り継がれています。工房では、機に向かって結び目を一つずつ重ねていく工程を見学でき、完成した敷物を求めることもできます。鍋島家の資料を収める徴古館などでは、藩政期に作られた古い品を見て、文様や色合いの移り変わりを間近に確かめることができ、藩御用の品の風格に触れられます。

【トリビア】

鍋島緞通は佐賀藩の御用品として厳しく保護され、一般への売買が禁じられたうえ、将軍家への月並の献上品にも指定されていました。そのため幕末まで庶民の目に触れる機会はほとんどなく、特権的な敷物であり続けたのです。明治以降にようやく民間で織られるようになり、堺緞通や赤穂緞通と並んで日本三大緞通の一つに数えられるようになりました。江戸時代には「花毛氈」とも呼ばれ、日本最古の木綿の緞通とされています。

📅 最終更新: 2026/9/6
鍋島緞通
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です