【概要】
平安初期に弘法大師が開いたと伝えられる、「大満虚空蔵菩薩」を祀る寺院です。十三詣りの名所として知られ、広大な境内からは太平洋を一望できます。三重塔や仁王門など貴重な文化財も多く残されています。
【歴史】
茨城県那珂郡東海村にある真言宗豊山派の寺院、村松山日高寺は、村松虚空蔵尊(日高寺)として日本三大虚空蔵の一つに数えられています。大同2年(807年)に弘法大師空海が創建したと伝わり、本尊の大満虚空蔵菩薩は空海が一刀ごとに三度礼拝しながら刻んだものとされます。中世には常陸を治めた佐竹氏の保護を受け、江戸時代には徳川家康から朱印地を寄せられ、水戸藩の庇護のもとで栄えました。
【特徴】
十三詣りといえば村松、村松といえば十三詣りと言われるほど、数え年13歳の子どもが知恵と福徳を授かるために参る霊場として関東一円に知られています。春先から初夏にかけては着飾った親子連れの参拝が特に多く、虚空蔵菩薩の縁日にあたる毎月13日にも参拝者が絶えません。明治33年(1900年)の火災で伽藍の大半を焼失しましたが、本尊は難を逃れ、その後に再建が進められました。
【見どころ】
火災の後に順次再建された本堂や仁王門、三重塔が松林の中に建ち並び、潮風の通る落ち着いた境内が広がっています。堂宇を彩る朱色は緑の松によく映え、参拝の合間の散策も心地よく感じられます。寺のすぐ東には太平洋が開け、白砂青松で知られる村松海岸や阿漕ヶ浦公園を巡る道も整えられており、参拝と海辺の散歩を合わせて楽しむことができ、家族連れの姿も多く見られます。
【トリビア】
日本三大虚空蔵の顔ぶれには諸説があり、村松と会津の柳津、伊勢の朝熊を挙げるのが一般的です。寺に伝わる縁起では、空海が唐から持ち帰った霊木を三つに分けて海へ流し、それぞれが流れ着いた地に虚空蔵菩薩が祀られたと語られています。東海村は原子力研究の拠点として知られる一方、村松の地は千年以上にわたって信仰を集めてきた古い霊場でもあり、今も多くの参拝者を迎え続けています。




