【概要】
毛越寺庭園は、平泉町にある特別名勝です。四季折々の美しい景観が楽しめ、多くの観光客が訪れます。日本の美を象徴する場所の一つです。
【歴史】
毛越寺は850年に慈覚大師円仁が開いたと伝わり、奥州藤原氏二代基衡が大規模に造営し、三代秀衡の代に完成しました。鎌倉時代の史書『吾妻鏡』は堂塔四十余宇、禅房五百余宇と伝え、その規模と華麗さは中尊寺をしのいだとされます。伽藍は1226年をはじめ度重なる火災で失われましたが、池と礎石はほぼ往時のまま残り、毛越寺庭園は1959年に特別名勝へ指定されました。
【特徴】
毛越寺庭園は大泉が池を中心に極楽浄土を地上へ表した浄土式庭園で、作者は不明ながら平安時代の作庭書『作庭記』の作法が随所に読み取れます。池の東南には荒磯を模した出島石組が突き出し、その先に高さ約2メートルの池中立石が水面から立ち上がります。西南には築山を配し、東岸にはゆるやかな洲浜が広がり、北東からは水を導く遣水が流れ込むなど、変化に富む岸辺の意匠が見どころです。
【見どころ】
岩手県平泉町にある毛越寺で必見なのが、平安時代の遺構としては国内でほとんど例のない遣水です。玉石を敷いた細い流路が曲がりくねりながら池へ注ぎ、毎年5月の第4日曜には平安装束をまとった歌人が盃を流す曲水の宴が催されます。6月下旬から7月上旬にはあやめ祭りが開かれ、約300種3万株の花菖蒲が池畔を彩ります。常行堂や開山堂などの諸堂も見逃せません。
【トリビア】
毛越寺は「もうつうじ」と読みますが、これは「越」を「おつ」と読む慣用が転じ、「もうおつじ」がつづまったものと伝わります。境内は特別名勝と特別史跡の二重指定を受けており、2011年には「平泉―仏国土を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の構成資産として世界文化遺産にも登録されました。庭園と伽藍跡が一体のまま守られてきた、きわめて稀有な事例です。




