【概要】
あらゆる災厄を打ち払うとされる「厄神明王」を祀る、日本三体厄神の一つです。嵯峨天皇の厄年祈願に由来し、空海が刻んだとされる愛染明王と不動明王が一体となったお姿が特徴です。関西一円から厄除け祈願の参拝者が絶えません。
【歴史】
門戸厄神(東光寺)は、兵庫県西宮市にある高野山真言宗別格本山の寺院で、山号を松泰山、本尊を薬師如来とします。寺伝によれば、嵯峨天皇が四十一歳の厄年にあたる天長六年(八二九年)、あらゆる災厄を打ち払う厄神の霊感を夢に得て、弘法大師空海に厄除けの祈願を命じたことに始まると伝わります。以来千二百年近くにわたり、厄を除く霊場として関西一円の厚い信仰を集めてきました。
【特徴】
祀られているのは、愛染明王と不動明王が一体となった姿を持つ厄神明王で、その名のとおりあらゆる災厄を打ち払う力があるとされ、現存する日本最古の厄神明王像として信仰されてきました。空海はこの像を三体刻み、国家安泰を願って高野山の天野社に、皇家安泰を願って山城国の石清水八幡宮に、国民安泰を願って東光寺にそれぞれ安置したと伝わりますが、現存するのは東光寺の一体のみとされ、日本三体厄神の一つに数えられています。
【見どころ】
参道には男性の大厄にちなむ四十二段の男厄坂と、女性の大厄にちなむ三十三段の女厄坂があり、小銭を落として厄を捨てながら登る習わしが受け継がれています。石段を上がった先に構える中楼門には、その年の干支を描いた大絵馬が掲げられ、天井には二匹の龍が参拝者を境内の中心へ導きます。境内には延命魂と呼ばれる霊木が据えられ、延命長寿を願って手を触れていく人の姿が絶えません。
【トリビア】
毎年一月十八日と十九日に営まれる厄除大祭は門戸厄神で最大の行事で、参道に数多くの露店が並び、二日間で何万人もの参拝者がつめかけて身動きが取れないほどの人出になります。二月三日の星まつりや、毎月十九日の厄神明王の縁日にも不動明王の秘法護摩が厳修されます。「門戸の厄神さん」の愛称で古くから親しまれ、関西では厄年を迎えた人がまず思い浮かべる祈願先として知られています。




