三井晩鐘

(みいのばんしょう)
📍 滋賀県 大津市⛰️ 名所🎭 文化

【概要】

三井晩鐘は、三井寺の鐘楼から夕暮れの湖上へ流れていく鐘の音を景色に見立てたもので、近江八景のひとつです。目で眺める景色ではなく耳で聞く情景を選んだ点が異色で、いまつり下げられている梵鐘は慶長七年にあたる1602年のものです。冥加料を納めれば誰でも撞くことができ、八景のなかでも体で味わえる景色になっています。

【歴史】

三井寺は正式には園城寺といい、天智・天武・持統の三天皇の産湯に用いたという御井があることから三井寺と呼ばれてきました。滋賀県大津市にある長等山の斜面に広い境内がひらけ、比叡山との長い争いのなかで幾度も焼かれながら再興を重ねた寺です。金堂の南東に建つ鐘楼と梵鐘は、慶長七年にあたる1602年に整えられたものです。

【特徴】

三井晩鐘の鐘は、宇治の平等院、高雄の神護寺の鐘とともに日本三名鐘に数えられ、姿の平等院、銘の神護寺に対して声の三井寺と称されてきました。低く深い響きが長く尾を引き、琵琶湖の水面をわたって遠くまで届きます。鐘楼は桃山時代の様式を伝える建物で、つり下げられた梵鐘とともに国の重要文化財に指定されています。

【見どころ】

境内の高台からは大津の街並みと琵琶湖の南湖を一望でき、夕暮れにこの眺めと鐘の音を重ねれば、八景に選ばれた情景がそのまま立ちあがります。霊鐘堂には初代と伝わる奈良時代の梵鐘が納められ、武蔵坊弁慶が比叡山へ引き摺り上げたという伝説にちなむ傷やひび割れを見ることができます。撞くための冥加料は変わることがあります。

【トリビア】

三井の晩鐘の響きは、環境省が選んだ残したい日本の音風景百選にも入っています。七景は霧にかくれて三井の鐘という句が伝わり、霧に閉ざされて何ひとつ見えない夕暮れでも鐘の音だけは届くという趣を詠んだものです。初代の鐘には、俵藤太こと藤原秀郷が竜宮から持ち帰ったものだという伝説も、古くから語り継がれてきました。

📅 最終更新: 2026/9/12
三井晩鐘
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です