【概要】
日光東照宮を彷彿とさせる極彩色の彫刻で装飾された国宝の本殿「聖天山歓喜院聖天堂」で有名です。「埼玉の日光」とも称され、縁結びのパワースポットとしても大変人気があります。
【歴史】
妻沼聖天山(歓喜院)は、埼玉県熊谷市にある高野山真言宗の寺院です。治承三年に武将の斎藤別当実盛が、守り本尊としていた大聖歓喜天を祀って聖天宮を建立したのが始まりと伝わります。建久八年には実盛の次男である斎藤六実長、のちの阿請房良応が本坊の歓喜院を開創したとされます。以来八百年余りにわたり「妻沼の聖天さま」と呼ばれ、庶民の篤い信仰を集めてきました。
【特徴】
最大の特色は、本殿にあたる「歓喜院聖天堂」の華麗な彫刻装飾です。延享元年に着工し宝暦十年に完成したこの建物は、庶民の寄進を積み重ねて長い年月をかけ造営されました。壁面を埋め尽くす極彩色の彫刻は日光東照宮を思わせる濃密さで、「埼玉日光」という異名の由来ともなっています。平成十五年から約七年をかけた大修理を経て、平成二十四年に国宝へ指定されました。
【見どころ】
参拝の際は、貴惣門から仁王門を抜けて聖天堂へと続く参道をゆっくり歩くのがおすすめです。聖天堂の奥殿には拝観料を納めれば近づくことができ、司馬温公の甕割りや七福神など、物語を刻んだ彫刻を間近に眺められます。門前で忘れてはならないのが名物のいなり寿司です。宝暦年間から続くと伝わる細長い形が特徴で、文化庁の「一〇〇年フード」にも認定されました。
【トリビア】
聖天さまこと大聖歓喜天は、ヒンドゥー教の神ガネーシャに由来し、象の頭を持つ二体が抱き合う姿で表されることで知られます。その姿から夫婦和合や縁結び、子授け、さらには商売繁盛の神として篤く信仰されてきました。妻沼聖天山は、東京の待乳山聖天、奈良の生駒聖天とともに日本三大聖天に数えられ、関東一円から参拝者が絶えることのない霊場となっています。




