【概要】
最勝寺は、東京都江戸川区平井にある天台宗の寺院で、正式には牛宝山明王院最勝寺と称します。寺伝では貞観2年の860年に慈覚大師円仁が隅田川のほとりに開いたとされ、1913年に本所表町から今の地へ移りました。不動堂に祀る木造不動明王坐像は江戸川区の登録有形文化財で、目黄不動として関東三十六不動霊場の第19番札所になっています。
【歴史】
最勝寺(目黄不動)は寺伝によれば、貞観2年にあたる860年に慈覚大師円仁が隅田川のほとりに草創し、元慶元年の877年に円仁の高弟である良本阿闍梨が寺の基礎を築いて開山になったとされます。江戸時代には本所に寺地を構え、牛島神社の別当寺を務めていました。大正2年にあたる1913年に本所表町から平井へ移り、以来この地で目黄不動を守り続けています。
【特徴】
最勝寺の目黄不動は、もとは本所表町にあった末寺の東栄寺の本尊でした。明治の神仏分離のあと東栄寺が廃寺となったため、本寺の最勝寺に移されたと伝えられます。像は木造の不動明王坐像で、1981年に江戸川区の登録有形文化財となりました。目黄不動を名乗る寺は三ノ輪の永久寺にもありますが、関東三十六不動霊場で目黄不動の札所とされているのは最勝寺です。
【見どころ】
最勝寺は、JR総武線の平井駅から南へ十数分歩いた住宅街のなかにあります。山門の左右には朱塗りの堂が設けられて金剛力士像が立ち、仁王門のような構えで参拝者を迎えます。境内の奥に建つ不動堂に目黄不動が祀られ、住宅地のただなかとは思えない落ち着いた空気が漂います。荒川と旧中川に挟まれた平井の町歩きとあわせて訪ねるのもよいでしょう。
【トリビア】
最勝寺がかつてあった本所表町は、隅田川をはさんで浅草の対岸にあたり、いまの東駒形のあたりとされます。最勝寺は六か寺のなかで最も東にあり、西の目黒不動とは直線でおよそ15キロ離れています。江戸の外周を囲むように不動尊が並ぶという五色不動の語り方も、平井に移ったいまの位置で地図に置くと、江戸市中よりずっと広い範囲に広がっていることがわかります。
