【概要】
松阪城は三重県松阪市にある平山城です。1588年に蒲生氏郷が四五百森と呼ばれる丘に築き、城と城下町を一体で整えたと伝わります。江戸時代には紀州藩領となりました。建物は残っていませんが、野面積みや打込接など時代ごとに積み方の異なる高石垣がよく残り、2011年に国の史跡に指定されました。城跡の南には紀州藩士が暮らした御城番屋敷があります。
【歴史】
松阪城は三重県松阪市にある平山城で、1588年(天正16年)に蒲生氏郷が四五百森と呼ばれる丘に築きました。氏郷は伊勢湾に面した松ヶ島城では城下町の発展が望めないと考え、この地に移って城と町を一体で整えたと伝わります。城名は吉祥の木である松と、豊臣秀吉の居城大坂城から一字を取って名付けられたといいます。氏郷の会津移封後は服部一忠、古田重勝が入り、江戸期には紀州藩領となりました。
【特徴】
松阪城は石垣の城として知られ、築城当初の石垣は自然石をほぼそのまま積み上げる野面積みで築かれました。江戸時代の修復では打込接や算木積みも用いられ、時代ごとに異なる積み方を一つの城で見比べられます。石と石の間に隙間があるため水はけがよく堅固で、本丸、二の丸、きたい丸などの高石垣が今もよく残っています。建物は残りませんが、城跡は2011年に国の史跡に指定されました。
【見どころ】
本丸跡に立つと松阪の町並みと伊勢平野が見渡せ、天守台からの眺めはとくに開けています。城跡の南に連なる御城番屋敷は、幕末に城の警護を務めた紀州藩士二十人とその家族が暮らした武家屋敷で、槇垣の続く景観が国の重要文化財に指定されています。城内の本居宣長記念館と旧宅鈴屋もあわせて訪ねたいところです。記念館には宣長の自筆稿本など約一万六千点が収蔵されています。
【トリビア】
松阪城は日本百名城の48番に数えられます。城の表記は史跡としては松坂城、市名や駅名は松阪と書き分けられており、これは坂の字が明治期に阪と書かれるようになったことによります。城下町は商人の町として栄え、豪商三井家の発祥地としても知られています。国学者の本居宣長も松阪の生まれで、城の近くで生涯の大半を過ごしました。宣長の旧宅鈴屋は城跡内に移築されています。
