【概要】
宍道湖のほとりにある平山城。現存天守12城の一つであり、国宝に指定されています。黒塗りの下見板張りが特徴的な天守は、千鳥が羽を広げたような形から「千鳥城」とも呼ばれます。堀川めぐりの遊覧船から見上げる城の姿も風情があります。
【歴史】
松江城は、関ヶ原の戦いの功で出雲・隠岐24万石を与えられた堀尾吉晴・忠氏父子が、慶長12年(1607年)から5年を費やして築いた平山城です。慶長16年(1611年)に天守が完成し、その後は京極氏を経て、寛永15年(1638年)に松平直政が入城し、明治維新まで松平家10代の居城となりました。島根県松江市にある宍道湖畔の亀田山に築かれ、城下町の中心として発展しました。
【特徴】
天守は四重五階地下一階、高さ約30メートルで、黒塗りの下見板張りに覆われた外観が重厚です。入母屋破風が千鳥の羽を広げたように見えることから「千鳥城」の別名でも呼ばれます。全国に12ある現存天守の一つで、築城年を示す祈祷札が再発見されたことが決め手となり、2015年に国宝へ指定されました。地階に井戸を備えるなど、実戦を強く意識した造りが随所に残ります。
【見どころ】
最上階の望楼は回廊のように四方が開け、松江の市街地と宍道湖、遠く大山までを一望できます。城を囲む堀はほぼ往時のまま残り、小舟で巡る「堀川めぐり」が人気で、水面から石垣や天守を見上げる眺めは格別で、船頭の語りも旅情を誘います。低い橋をくぐるたびに船の屋根が下がる仕掛けも楽しく、冬季にはこたつを備えた船が運航され、寒さを気にせずゆったりと城下の風情を味わうことができます。
【トリビア】
松江は7代藩主・松平治郷(不昧)が広めた茶の湯が暮らしに根づいた町で、若草や山川といった銘菓が今も親しまれています。城の北側に延びる塩見縄手には、『怪談』で知られる小泉八雲が暮らした武家屋敷と記念館が並び、松江城の堀端の景色は八雲が随筆に書き残した風景そのものです。嫁ヶ島を望む宍道湖の夕日は日本の夕陽百選にも選ばれており、城歩きとあわせて味わいたい名物となっています。




