【概要】
中井英夫(塔晶夫名義)の代表作。「アンチ・ミステリー」の傑作とされる。氷沼家を襲う密室殺人と、それを巡る推理合戦が繰り広げられるが、その結末はミステリーの概念を覆す深い虚無感をもたらす。
【アンチ・ミステリー】
中井英夫が「塔晶夫」名義で発表した長編小説です。昭和30年代の東京を舞台に、氷沼家で起こる密室殺人事件を描きます。「ミステリー小説」というジャンルそのものに対する挑戦状、あるいは「アンチ・ミステリー」の最高傑作として高く評価されています。
【四つの密室】
物語の中で、登場人物たちが推理合戦(推理ゲーム)を繰り広げますが、現実はそれをあざ笑うかのように悲劇が連鎖します。「推理することの虚しさ」や「犯人探しごっこの罪」がテーマとして浮かび上がり、読者は探偵小説を読むことの意味を問い直されます。
【文学的香気】
シャンソンや、薔薇、宝石といった耽美的なガジェットが散りばめられ、非常に文学的で美しい文体で書かれています。謎解きの面白さと、深い絶望感・虚無感が同居した、美しくも残酷な物語です。戦後文学の収穫の一つとも数えられます。
📅 最終更新: 2026/1/3




