【概要】
愛媛県今治市と大島の間にある海峡。芸予諸島などの島々が点在し、潮流が極めて複雑かつ速いことで知られ、その流速は時速10ノット(約18km)にも達します。古くから「一に来島、二に鳴門、三と下って馬関瀬戸(関門)」と謳われた海の難所です。
【歴史】
愛媛県今治市と大島の間に開けた来島海峡は、瀬戸内海の東西を結ぶ数少ない航路の要衝として、古くから数えきれないほどの船が行き交ってきました。潮の速さと複雑さから「一に来島、二に鳴門、三と下って馬関瀬戸」と謳われ、海の難所の代名詞とされてきました。中世にはこの海域を知り尽くした村上海賊が周辺の島々に拠点を構え、通行する船の水先案内を担ったと伝わります。
【特徴】
大小の島が水路を細かく分けているため潮流は極めて複雑で、最大流速は10ノット、時速にしておよそ18キロに達します。とくに来島海峡の中水道では渦潮や湧潮が発生し、海がまるで川のように音を立てて流れていく様子を、岸からでも見ることができます。安全な通航を支えるために潮流信号所が設けられ、電光表示で潮の向きと速さを航行中の船に知らせる仕組みが今も働いています。
【見どころ】
来島海峡には、1999年5月に開通した来島海峡大橋が架かっています。共用のアンカレイジを2基置いて3つの吊橋を直線状につないだ世界初の三連吊橋で、総延長は約4.1キロに及びます。しまなみ海道のハイライトとして自転車で渡る人が絶えず、橋の上からは島々が浮かぶ多島美の海と、その間を縫うように進む大小の船を見下ろせます。夕暮れどきや夜の眺めもまた格別です。
【トリビア】
潮流体験船に乗れば、村上海賊の本拠であった能島の周囲を巡ることができ、船着き場すら設けにくかったという城跡の島を取り巻く激流を、間近で味わうことができます。また来島海峡は、潮の向きに応じて船が通る水道を変える「順中逆西」という特殊な航法が定められていることでも知られています。同じ一つの海峡の中で、船が右側通行と左側通行を潮によって使い分ける、世界的にも珍しい海域となっています。




