【概要】
フウロソウ科の多年草。飲めば「現に効く証拠」があることから名付けられたとされる。整腸作用に優れ、下痢止めや胃腸薬として広く利用される。花の色は東日本で白、西日本で紅紫色が多いことが知られている。伊吹山などは古くからの薬草の宝庫として有名。
【歴史】
ゲンノショウコはフウロソウ科の多年草で、日本各地の野山や道端、堤防などに広く自生しています。江戸時代より前から下痢や腹痛によく効く草として知られ、飲めばたちどころに効き目が現れることから「現の証拠」あるいは「験の証拠」の名がついたと伝えられます。薬草の宝庫として名高い滋賀県米原市にそびえる伊吹山でも古くから採られ、伊吹百草などとともに人々の暮らしと健康を支えてきました。
【特徴】
ゲンノショウコはタンニンを豊富に含み、その収斂作用が腸の粘膜を保護して下痢を鎮めるとされます。副作用が少なく子どもから高齢者まで使えるとされ、整腸を目的に用いられるほか、便通が滞っているときには逆に通じを整える方向に働くともいわれます。夏から秋にかけて直径一センチ半ほどの小さな花を咲かせ、その色は東日本で白、西日本で紅紫のものが多いという分布の違いがよく知られています。
【見どころ】
米原市の伊吹薬草の里文化センターには薬草園と薬草風呂が備わり、ゲンノショウコをはじめ伊吹山ゆかりの植物を間近に観察したり、薬草の湯につかったりすることができます。夏の伊吹山は山頂周辺のお花畑が見どころで、遊歩道沿いに数多くの薬草や高山植物が育ちます。伊吹山には織田信長が宣教師に薬草の栽培を計画させたという話も伝わり、薬草の山としての歴史の厚みを感じさせます。
【トリビア】
花が終わったあとに実る果実は、熟すと五つに裂けて種を勢いよく弾き飛ばし、そのはじけた姿が神輿の屋根の反りに似ることから「ミコシグサ」という別名でも呼ばれます。ゲンノショウコは日本薬局方に収載される正式な生薬である一方、家庭では夏に採った全草を乾かして煎じ、番茶のように気軽に飲まれてきました。センブリ、ドクダミと並ぶ日本三大民間薬の一つに数えられます。




