【概要】
粉河祭は、和歌山県紀の川市にある粉河寺の鎮守、粉河産土神社の大祭で、紀州三大祭のひとつに数えられています。7月最終の土曜と日曜に営まれ、宵宮の夜には提灯を灯しただんじりが門前の「とんまか通り」を勇壮に練り、本祭では武者姿の稚児らが連なる渡御式が行われて、ふだんは静かな門前町が一年でもっとも熱を帯びる二日間になります。
【歴史】
粉河祭は、西国三十三所の第三番札所として知られる粉河寺の鎮守、粉河産土神社の祭礼として受け継がれてきました。神社は延暦年間(782年から806年)の勧請と伝えられ、祭り自体も近世には門前町の年中行事として定着していたとされます。本祭は昭和39年(1964年)に和歌山県の無形民俗文化財に指定され、地域を代表する行事となっています。
【特徴】
粉河祭は宵宮と本祭の二日構成で、宵宮では町ごとのだんじりが提灯を灯し、粉河駅前から粉河寺の大門前へと延びるとんまか通りを行き来します。だんじりには威勢のよい太鼓ばやしが伴いますが、打ち方が町ごとに異なるため、姿が見えなくても太鼓の音だけでどの町のだんじりなのか分かるといわれるほど、囃子が土地に根づいています。
【見どころ】
本祭の渡御式は「おわたり」と呼ばれ、裃姿の供や馬にまたがった武者姿の稚児など、総勢400人あまりの行列が門前をゆっくりと進みます。渡御式は2年に1度の実施とされているため巡り合えるかは年によりますが、だんじりが立ち並ぶ宵宮の灯りと、悠然と進む行列の装いとが響き合い、和歌山県紀の川市にある粉河の一帯が、一年で最も華やぐ時季といえます。
【トリビア】
渡御式の行列は、粉河寺の草創に関わったと伝わる大伴孔子古の子、船主が賊を平らげて凱旋したときの姿を伝えるものとされ、単なる時代行列ではなく寺の縁起そのものを町ぐるみでなぞる構成になっています。開催の時期や渡御式の有無、周辺の交通規制は年によって変わることがあるため、訪れる前に確認しておくとよいでしょう。




