清川だし

(きよかわだし)
📍 山形県 酒田市🌿 自然🎭 文化⛰️ 名所

【概要】

山形県庄内平野に吹く東南東の強風です。最上川が山地を削ってできた狭い谷(地峡)を風が吹き抜けることで加速され、強烈な局地風となります。古くから「だし」と呼ばれ、舟運や農業に大きな影響を与えてきました。

【歴史】

清川だしは、山形県庄内地方の最上川沿いに古くから吹く東寄りの局地風で、庄内では東風を「だし」と呼ぶ習わしがあり、清川の集落名を冠して清川だしと呼ばれるようになりました。江戸時代から最上川舟運や庄内平野の稲作に影響を与えてきたことが知られ、農民には作物を傷める悪風として恐れられてきました。現在は日本三大局地風のひとつに数えられ、風害と共存してきた地域の歴史を物語る存在です。

【特徴】

清川だしは春から秋にかけて発生し、東高西低の気圧配置で等圧線が山形県内を南北に走るときに強まります。オホーツク海高気圧から流れ込んだ冷たい空気が奥羽山脈を越えて最上盆地にたまり、それが最上峡の狭い谷を溢れるように吹き抜けて庄内平野に噴き出す仕組みです。地峡風の代表例とされ、持続的で乾いた強風となるため、稲の出穂期には白穂などの被害を引き起こすことがあります。

【見どころ】

清川だしの通り道にあたる庄内町(旧立川町)では、昭和55年から風のエネルギー利用に取り組み、平成5年には自治体として日本初の大型風力発電所を建設して悪風を資源に変えました。老朽化で令和元年に撤去されましたが、風車をシンボルとした町づくりは今も続いています。最上峡では舟下りが楽しめ、峡谷の地形を実感しながら、風がどこから吹き出すのかを体感できるのも魅力です。

【トリビア】

松尾芭蕉は『おくのほそ道』の旅で清川付近から最上川を舟で下り、「五月雨をあつめて早し最上川」の句を残しました。庄内平野の農家は屋敷の東側に防風林を設けて清川だしに備えてきたと伝わり、平野を渡る強風がフェーン型にもボーラ型にもなるという学術的な特徴も研究者の関心を集めています。厄介者から風力発電の担い手へと評価が変わった風として、気象学の教材でもたびたび紹介されます。

📅 最終更新: 2026/9/6
清川だし
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です