【概要】
杵島岳は、阿蘇五岳の西端に立つ山で、五つの峰のなかでは最も標高が低い峰です。熊本県阿蘇市にあり、草千里ヶ浜の北側にこぢんまりとした円錐形の姿を見せます。約三千五百年前にできた新しい火山で、山頂には形のはっきりした火口が残っています。阿蘇火山博物館のそばから舗装された歩道と階段が続き、四十分ほどで頂に立てる登りやすい山として親しまれています。
【歴史】
杵島岳は約三千五百年前の噴火でできた玄武岩の火砕丘で、阿蘇の中央火口丘群のなかでは新しい火山にあたります。山頂の火口のほかに北西の斜面と東の麓にも火口の跡が並び、ひとつづきの活動でできた単成火山と考えられています。削られていない火山地形がそのまま残っているため、噴火がどのように山をつくるかをたどる教材としても取り上げられてきました。
【特徴】
熊本県阿蘇市にある杵島岳は標高千三百メートル台で、阿蘇五岳のなかでは最も低い峰です。山頂には浅いすり鉢状の火口がくぼみ、その縁をひと回りできる道が付いています。東の麓には直径八百メートルに及ぶ大きな火口跡があり、小さな火口や平頂の溶岩ドームが集まって起伏に富んだ地形をつくります。北西斜面には若い放射谷が刻まれ、新しい火山らしい素直な形を保っています。
【見どころ】
一九八二年に開館した阿蘇火山博物館のそばの登り口から整えられた歩道と階段をたどれば、四十分ほどで杵島岳の山頂に着きます。頂の火口を回る道からは、南に草千里ヶ浜と烏帽子岳、東に噴煙を上げる中岳、北には外輪山に囲まれた阿蘇谷の田畑まで見渡せます。隣の往生岳へ草原の尾根をつないで歩くこともでき、半日の行程が組めます。
【トリビア】
登山道の大半が舗装されているため、杵島岳は山歩きに慣れていない人や子どもでも登りやすく、阿蘇の入門の山として案内されてきました。北の外輪山から阿蘇五岳を涅槃像に見立てるとき、杵島岳は西の端にあたるため膝や足の部分に数えられます。噴火の跡が浸食されずに残る点が評価され、阿蘇ジオパークのジオサイトの一つにも選ばれています。




