【概要】
霧島東神社は、宮崎県高原町にある伊邪那岐命と伊邪那美命を祀る社で、高千穂峰の東側の中腹に鎮座します。崇神天皇の御代の創建と伝えられ、境内からは火口湖の御池を見下ろすことができます。高千穂峰の山頂を飛地境内とし、山頂に立つ天之逆鉾を社宝として祀る、修験の色が濃い社です。別当寺の錫杖院が置かれ、霧島六社権現の修行の拠点にもなっていました。
【歴史】
霧島東神社は第十代崇神天皇の御代に創建されたと伝えられ、神仏習合の時代には霧島東御在所権現と称されました。十世紀の半ばには性空上人が社のかたわらに別当寺の錫杖院を建てたとされ、霧島六社権現の一つとして修験の拠点になっていきました。明治の神仏分離で錫杖院は廃され、いまは境内にその跡地が残るだけとなっています。
【特徴】
社殿は高千穂峰の東側の中腹に鎮座し、鳥居から石段を上ると杉に囲まれた境内に出ます。眼下には円い火口湖の御池が広がります。御池は周囲四キロほどで、最大の水深は百メートルを超え、国内の火口湖ではもっとも深いとされます。霧島東神社は古くからこの池にひそむ龍神と結びつけて語られ、社殿の向きも御池を意識して定められたと伝えられています。
【見どころ】
霧島東神社の社宝である天之逆鉾は、高千穂峰の山頂に刃を下へ向けて突き立っています。山頂は飛地境内とされ、社に参ってから山を登り逆鉾を拝むのが古くからの作法でした。境内には龍が棲むと伝わる神竜泉が湧き、天狗の面を祀る堂もあって、修験の道場だったころの気配が随所に残されています。杉に囲まれた参道の石段も見ものです。
【トリビア】
天之逆鉾は瓊瓊杵尊が天照大神から授かった鉾とも伝えられますが、いつ立てられたものかは分かっていません。幕末に新婚旅行で霧島を訪れた坂本龍馬は高千穂峰に登り、逆鉾を引き抜いて姉への手紙に書き送ったと伝わります。いまの逆鉾は噴火や落雷で傷んだのちに据え直されたものとされ、霧島東神社が管理を受け継いでいます。




