【概要】
氣比神宮大鳥居は福井県敦賀市に鎮座する越前国一宮・氣比神宮の正面に立つ朱塗りの大鳥居で、高さ約十一メートルを誇ります。奈良時代の大宝二年(702年)に建立されたと伝わり、現在の鳥居は正保二年(1645年)に再建されたもので、国の重要文化財に指定されています。両部鳥居と呼ばれる四本の控柱を持つ堂々たる姿は敦賀の街のシンボルとして市民に親しまれています。
【歴史】
氣比神宮は「越前国一宮」として古くから北陸道の総鎮守として崇敬を集めてきた由緒ある神社です。御祭神は伊奢沙別命をはじめとする七柱の神々で、古事記や日本書紀にも記される格式を持ちます。大鳥居の創建は大宝二年(702年)と伝えられ、現存する鳥居は正保二年(1645年)に小浜藩主・酒井忠勝が寄進して再建されたものです。木造両部鳥居としては日本有数の規模を誇り、昭和二十年の敦賀空襲でも奇跡的に焼失を免れたことから、地元では神威の証として特別な信仰を集めています。国の重要文化財にも指定されています。
【特徴】
氣比神宮大鳥居は高さ約十一メートルの朱塗りの木造鳥居で、「両部鳥居」と呼ばれる形式が特徴です。主柱の前後に控柱が設けられた四脚門のような安定感のある構造で、厳島神社の大鳥居と同じ形式を採用しています。柱には樹齢数百年の巨木が使われ、朱色の漆塗りが鮮やかに映える威風堂々たる姿は、訪れる人々を圧倒します。鳥居の上部には「氣比神宮」の扁額が掲げられ、その書は有栖川宮熾仁親王の筆によるものとされています。春秋の祭礼時には特別な注連縄が張られ、一層荘厳な雰囲気を醸し出します。
【見どころ】
氣比神宮は敦賀駅から徒歩十五分ほどのアクセスの良い立地にあり、広大な境内には本殿のほか九社の摂社末社が点在しています。毎年九月に行われる「氣比の長祭り」は北陸地方最大級の祭礼で、六日間にわたって山車巡行や神輿渡御が繰り広げられます。境内の「長命水」は延命長寿の霊水として知られ、参拝者の多くが水を汲んで帰ります。周辺には日本海の新鮮な海の幸を楽しめる敦賀の魚市場や、気比の松原(日本三大松原のひとつ)もあり、合わせて観光を楽しむことができます。
【トリビア】
氣比神宮の正式名称は「氣比神宮」ですが、地元では親しみを込めて「けいさん」と呼ばれています。「氣比」の名は「食(け)の霊(ひ)」に由来するとされ、食物の神としての信仰も深いです。松尾芭蕉は奥の細道の旅で氣比神宮を訪れ、「月清し遊行のもてる砂の上」の名句を詠みました。境内には芭蕉の句碑が建てられています。大鳥居が空襲を免れた理由は、米軍が神社の文化的価値を認識していたためとも、単に爆撃の範囲外だったともいわれ、真相は定かではありません。鳥居の朱色は定期的に塗り直され、常に鮮やかな姿を保っています。




