【概要】
大阪で親しまれている炊き込みご飯で、日本五大名飯では「かやくめし」の名で大阪の難波地方の料理として挙げられています。かやくは漢方で主となる薬の働きを助ける補助の薬「加薬」に由来する言葉で、のちに料理に加える具を指すようになりました。細かく刻んだ具を米と一緒にだしで炊き上げる、関東でいう五目ご飯にあたる料理で、関西らしい淡い味わいが持ち味です。
【歴史】
かやくご飯の「かやく」は、漢方で主となる薬の効き目を高めるために加える補助の薬、加薬に由来するとされます。その言葉が料理に添える具の総称へと意味を広げ、関西では具を炊き込んだご飯をかやくご飯、かやくめしと呼ぶようになりました。日本五大名飯では大阪の難波地方のかやくめしとして名を連ね、大阪の町の暮らしに根づいた庶民のご飯として受け継がれています。
【特徴】
かやくご飯は、鶏肉やごぼう、にんじん、油揚げ、こんにゃく、しいたけなどの具を細かく刻み、だしと調味料を合わせて米と一緒に炊き込みます。関東で五目ご飯と呼ばれる料理にあたりますが、関西風の味付けのため味わいはやや淡く、だしの香りと具のうまみが穏やかに広がります。何を入れるかに決まりはなく、季節の野菜や家にある材料で作れる気取らなさも魅力です。
【食べ方】
大阪では、かやくご飯はうどん店や食堂の定番の一品で、きつねうどんなどの麺類と組み合わせた定食として味わう人が多くいます。炊きたてはもちろん、冷めても具のうまみが残るので、おにぎりにして弁当にすることもあります。大阪府大阪市中央区の難波かいわいにも、かやくご飯を麺類に添えて出す店があります。品書きは店によって異なり、変わることがあります。
【トリビア】
「かやく」という言葉は、炊き込みご飯だけでなく、うどんやそばにのせる具、さらにはカップ麺に添えられた具の小袋の呼び名としても使われています。もとは薬の言葉だったものが、食卓で具材を指す言葉として広まったわけです。かやくご飯は1939年(昭和14年)に宮内省が全国の郷土料理を調べた際、かやくめしの名で日本五大名飯の一つに挙げられたとされます。
