【概要】
河口湖は、富士五湖のなかで最も早く観光地として開けた湖です。山梨県富士河口湖町にあり、面積は五湖で二番目ですが、岬と入江が入り組むため湖岸線は十九キロメートルを超えて五湖で最も長くなります。湖の中央には富士五湖で唯一の島が浮かびます。鉄道とバスで都心から直結する湖畔にはホテルや美術館が並び、富士山観光の玄関口として五湖でいちばんにぎわう湖です。
【歴史】
河口湖は約一万年前にできたと考えられる堰止湖で、自然に流れ出る川を持たないため、大雨のたびに周囲の村が水につかりました。江戸時代には湖水を山の外へ抜く新倉掘抜の工事が手掘りで進められ、一九一七年に完成した放水路でようやく水位を抑えられるようになりました。その後、湖畔は富士登山の宿場から本格的な観光地へと姿を変えていきます。
【特徴】
湖面の標高は約八百三十メートル、最大水深は十四・六メートルで、水深の割に湖岸が複雑に入り組み、岬と入江が交互に続きます。南に富士山を望む位置関係のため、風のない朝は水面に山影がそのまま映り込む逆さ富士が現れます。一九五〇年に鉄道が河口湖駅まで延び、一九七一年には湖を南北に渡る河口湖大橋が架かりました。
【見どころ】
河口湖の湖畔には大石公園や八木崎公園など富士山を正面に望む園地が点在し、初夏のラベンダー、秋の紅葉回廊と季節ごとに表情を変えます。南岸の沖に浮かぶ小島には一九九五年に建てられた六角堂があり、水位が下がると歩いて渡れることもあります。冬には湖上を彩る花火が上がり、空気の澄んだ寒い時期のいちばんの目玉になっています。
【トリビア】
湖の中央に浮かぶ鵜の島は富士五湖で唯一の島で、島全体が古くから信仰の対象とされてきました。河口湖はブラックバス釣りの名所としても知られ、大会も開かれてきましたが、二〇〇七年からはソフトルアーの使用が禁じられています。二〇一三年には世界文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産となりました。




