【概要】
奈良県の春日大社やその周辺で見られる「春日野の藤」は、古くから神聖な植物として大切にされてきました。本殿前の見事な「砂ずりの藤」や、萬葉植物園内で目の高さで多彩な藤を楽しめる「藤の園」など、世界遺産の神域で咲き誇る歴史ある花の景観です。
【歴史】
藤は春日大社の社紋「下り藤」でもあり、古くから境内に自生していた藤に藤原氏のゆかりが重なり定紋となりました。特に有名な「砂ずりの藤」は鎌倉時代の絵巻物にもその存在が記録されており、樹齢700年から800年以上と推定される由緒ある古木です。
【特徴】
「砂ずりの藤」は名前の通り、花房が1メートル以上にも長く垂れ下がり、地面(砂)に触れるほどになる見事な姿が特徴です。また、春日大社萬葉植物園内の藤の園には、20品種約200本の藤が植えられ、白やピンクなど多様な色彩を楽しむことができます。
【見どころ】
春日大社本殿の鮮やかな朱塗りの社殿を背景に、紫色の「砂ずりの藤」が長く枝垂れる光景は、極楽浄土のような美しさです。また、萬葉植物園では一般的な藤棚ではなく「立ち木造り」という独自の仕立て方をしており、目の高さでじっくりと花を鑑賞できます。
【トリビア】
春日大社の巫女の髪飾りにも藤の花があしらわれており、社務所で授与されるお守りにも藤がデザインされています。萬葉集には藤を詠んだ歌が27首も収められており、古来より日本人がこの花に特別な畏敬と美しさを見出していたことが分かります。
📅 最終更新: 2026/3/27




