【概要】
奈良公園の中にあり、鮮やかな朱塗りの社殿と無数の燈籠が美しい神社です。藤原氏の氏神として繁栄し、境内は「古都奈良の文化財」として世界遺産に登録されています。
【歴史】
春日大社は、社伝によれば神護景雲二年(七六八年)に藤原永手が称徳天皇の勅を受け、御蓋山の麓に四殿の社殿を造営したのが始まりとされます。常陸の鹿島から武甕槌命、下総の香取から経津主命を迎え、河内の枚岡社に祀られていた天児屋根命と比売神を合わせた四柱を祀り、藤原氏の氏神として、また平城京を守る社として崇敬され、伊勢神宮などと並んで「日本三社」に数えられてきました。
【特徴】
朱塗りの柱と白い壁、檜皮葺の屋根が映える社殿は春日造と呼ばれ、二十年ごとに建て替えや修理を行う式年造替によって創建当時の姿が受け継がれてきました。伊勢神宮と並ぶこの制度は千二百年近く続き、直近の第六十次造替は二〇一六年に完了し、社殿は鮮やかな朱色によみがえりました。背後の春日山原始林は平安初期から狩猟と伐採が禁じられ、千年以上にわたり、神域として深い原生の森が守られてきました。
【見どころ】
奈良県奈良市にある春日大社の参道と回廊には、石灯籠と釣灯籠を合わせて約三千基の灯籠が並びます。貴族から庶民まで数多くの人々が奉納してきたもので、二月の節分と八月十四日・十五日の中元には、そのすべてに火が入る万灯籠が営まれます。闇に浮かぶ無数の灯りは幻想的で、砂ずりの藤と呼ばれる名木や、朱塗りの回廊に囲まれた中門・御廊の姿も見どころです。神苑の萬葉植物園では万葉集に詠まれた草木を楽しめます。
【トリビア】
武甕槌命が白い鹿に乗って御蓋山に降り立ったと伝わることから、奈良の鹿は神の使いとして大切に守られてきました。境内や参道を悠々と歩く鹿の姿は、今も参拝の大きな楽しみのひとつとなっています。春日大社は一九九八年に「古都奈良の文化財」を構成する資産のひとつとしてユネスコの世界文化遺産に登録され、国内外から多くの参拝者を迎える、古都奈良の中心的な存在となっています。




