狩宿の下馬桜

(かりゆくのげばざくら)
📍 静岡県 富士宮市🌿 自然

【概要】

源頼朝が富士の巻狩りの際、馬を繋ぎ止めたと伝えられる樹齢約800年のヤマザクラ。富士山を雄大に望む田園風景の中に威風堂々と佇む歴史的名木です。

【歴史】

狩宿の下馬桜(かりやどのげばざくら)は、静岡県富士宮市にある推定樹齢800年以上の国内最古級のヤマザクラです。建久4年(1193年)、鎌倉幕府を開いた源頼朝が富士の裾野で壮大な狩猟会「富士の巻狩り」を催した際、この桜に馬をつなぎ、ここで馬から降りたという伝説が残ります。そこから「下馬桜」や「駒止めの桜」と呼ばれるようになり、周囲には頼朝が本陣を置いた井出家の屋敷も伝えられています。

【特徴】

この桜は1922年(大正11年)10月12日、三春滝桜や山高神代桜など他の四本とともに国の天然記念物に指定され、1952年(昭和27年)には特別天然記念物へと格上げされました。幹回りは約8.5メートル、枝張りは東西に約22メートルも広がる堂々たる巨木です。度重なる台風で主幹を失い往時の勢いはありませんが、手入れが続けられ、近年は若芽の伸びとともに樹勢が戻りつつあります。

【見どころ】

見頃を迎えるのは例年4月上旬から中旬にかけてです。最大の魅力は、残雪をまとった富士山と、田園に立つ下馬桜、そして足元を埋め尽くす黄色い菜の花が一枚に収まる、日本の原風景そのものの眺めにあります。富士山を背景に桜を写せる国内屈指の絶景として、多くのカメラマンや観光客を惹きつけてきました。開花の時期には地元の特産品が並ぶ「狩宿さくらまつり」も開かれ、里は一年で最も賑わいます。

【トリビア】

ヤマザクラはエドヒガンやシダレザクラと違い、花が開くのと同時に赤みを帯びた若葉が出るのが特徴です。そのため満開の頃には白い花びらと赤い若葉が入り混じり、木全体がやわらかな桜色に霞んで見えます。この木は花が咲き始めは淡い紅色で、のちに白く変わる性質から「アカメシロバナヤマザクラ」とも呼ばれてきました。周辺には富士の巻狩りにまつわる史跡が点在し、曽我兄弟の仇討ちの舞台としても知られています。

📅 最終更新: 2026/9/7
狩宿の下馬桜
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です