鉄輪温泉

(かんなわおんせん)
📍 大分県 別府市♨️ 温泉⛰️ 名所

【概要】

鉄輪温泉は、別府市の北西の斜面に広がる温泉地で、家々の屋根のあいだから湯煙が立ちのぼる光景は別府を象徴する風景として知られます。鎌倉時代に一遍上人が開いたと伝わる蒸し湯を核に、湯治客を泊める貸間旅館や共同浴場が細い坂道にびっしりと密集していて、別府八湯のなかでは最も温泉場らしい情緒を色濃く残した一帯です。

【歴史】

鉄輪温泉は古く玖倍理湯の井と呼ばれた噴気地帯で、人が近づけないほど高温の湯と蒸気が噴き出していたと伝えられます。1276年に諸国を巡っていた一遍上人がこの地を訪れ、荒ぶる地獄を鎮めて人が入れる蒸し湯を開いたと伝えられ、以後は湯治の里として発展しました。上人をまつる寺や供養の石塔がいまも町なかに残されています。

【特徴】

鉄輪温泉の湯は単純温泉や食塩泉、硫酸塩泉、含鉄泉など多彩で、高温の源泉が浅い地下に密集しているため、路地のいたるところから蒸気が噴き出します。台所に温泉の蒸気を引き込んで煮炊きに使う家もあり、暮らしと地熱が溶け合っているのが大きな特色です。長く滞在する湯治客のための貸間旅館も、いまなお営まれ続けています。

【見どころ】

石室に薬草の石菖を敷き、温泉の蒸気で温めた床に横たわるむし湯は、鉄輪でこそ味わえる入浴の体験です。共同の蒸し場では、噴気の吹き出す釜に野菜や魚介を並べて蒸し上げる地獄蒸しを楽しめます。坂道を上り下りしながら共同浴場をめぐれば、湯煙の立つ路地や湯あみ着で歩く人の姿に、生きた湯治場の空気を感じられます。

【トリビア】

鉄輪の湯煙が立ちこめる町並みは、明礬とともに、別府の湯けむり・温泉地景観として2012年に国の重要文化的景観に選定されました。鉄輪という地名の由来には諸説あり、噴気を鎮めるために鉄の輪を打ち込んだという伝承も語られています。周辺には海地獄やかまど地獄など地獄めぐりの名所が集まり、観光の拠点にもなっています。

📅 最終更新: 2026/9/12
鉄輪温泉
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です