【概要】
神奈川県鎌倉市の高徳院に鎮座する青銅製の阿弥陀如来坐像です。1252年に造立が始まったとされ、像高約11.3メートル、重さ約121トンで、大仏殿を失って露座となった姿が鎌倉の象徴として親しまれています。鎌倉時代の姿をほぼそのまま留める大仏として、国宝に指定されています。
【歴史】
鎌倉大仏は、鎌倉幕府の記録である吾妻鏡に1252年から鋳造が始まったと記されており、僧・浄光が民衆から寄付を集めて造立したと伝えられます。当初は大仏殿に納められていましたが、室町時代の1498年に明応地震の津波で堂が流失して以降、露座のまま今日に至ります。江戸時代には荒廃していた大仏を、増上寺の祐天上人らが修復し、高徳院として寺の姿を整えました。
【特徴】
鎌倉大仏は阿弥陀如来像で、像高は約11.3メートル、重さは約121トンあります。鎌倉時代に流行した宋の様式を取り入れた面長で猫背気味の姿が特徴で、深く瞑想するような穏やかな表情は多くの文学者に愛されました。頭部の螺髪や体の継ぎ目には当時の鋳造技術がそのまま残り、創建時の姿をほぼ完全に留める大仏として1958年に国宝に指定されています。
【見どころ】
拝観料を納めて胎内に入ると、内側から大仏を鋳造した際の継ぎ目や補強の跡を間近に観察でき、700年以上前の職人の仕事ぶりを体感できます。境内には与謝野晶子の歌碑や、大仏がかつて納められていた大仏殿の礎石も残ります。長谷寺や由比ヶ浜が徒歩圏にあり、江ノ電の長谷駅から歩いて訪れる大仏は、鎌倉散策の定番コースの一つです。
【トリビア】
与謝野晶子が詠んだ「かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな」は大仏を称える名歌として知られますが、鎌倉大仏は釈迦ではなく阿弥陀如来であり、晶子が仏の種類を取り違えていたという逸話が有名です。また大仏の背中には明かり取りの窓が二つ開いており、内部の換気と採光を担っています。大仏の足元には巨大なわらじが奉納されているのも見どころです。




