【概要】
世界遺産・厳島神社の出口付近にある高野山真言宗の寺院です。かつては厳島神社の修理や造営を掌る役職を担っていました。秘仏である厳島弁財天は、弘法大師空海作と伝えられ、日本三大弁天の一つとして広く信仰されています。
【歴史】
大願寺は広島県廿日市市の宮島にある高野山真言宗の寺院で、正式には亀居山放光院大願寺といいます。創建の年代は明らかではありませんが、建仁年間(1201年から1203年)に僧の了海が再興したと伝わります。明治の神仏分離までは厳島神社の造営や修理を担う別当寺として、社殿の維持に大きな役割を果たしてきました。厳島神社の出口を出てすぐの場所にあり、参拝の流れで訪ねやすい寺院です。
【特徴】
日本三大弁天の一つに数えられるのは、この厳島神社(大願寺)に祀られる厳島弁財天です。弘法大師空海の作と伝わる秘仏で、学芸や芸能、商売繁盛の神として崇敬されてきました。神仏分離の際に厳島神社から遷された仏像も多く引き受けており、本堂には国の重要文化財に指定された仏像が四体安置されています。宮島の弁財天として、古くから海を渡って多くの参拝者が訪れてきました。
【見どころ】
本堂に納められた重要文化財は、弘法大師の作と伝わる薬師如来坐像、行基の作と伝わる釈迦如来坐像、阿難尊者像と迦葉尊者像です。境内には2006年に約百四十年ぶりに再建された護摩堂が建ち、堂内の白檀の不動明王像は高さ約4.8メートル、重さ約7トンで、木彫りとしては日本最大級とされています。明治期に失われた堂を復興したもので、宮島の新しい名所となっています。
【トリビア】
幕末の第二次長州征伐の際、この寺で幕府側と長州側の停戦交渉が行われました。寺伝では幕府側の勝海舟と長州側の木戸孝允が会談したと伝わりますが、記録の上では長州側は広沢真臣ら数名の志士が応じたとされています。秘仏の厳島弁財天は、毎年6月17日の厳島弁財天大祭の日にだけ開帳されます。境内の池のほとりには伊藤博文が植えたと伝わる九本松がありましたが、2021年に枯れました。




