📍 茨城県 水戸市🎭 文化🏯 歴史

【概要】

茨城県の三浜地方(大洗、那珂湊、磯浜)に伝わる民謡。「水戸の三浜で那珂川ァぬけて」の歌い出しで知られ、三味線、太鼓、囃子が入る陽気で威勢の良い座敷唄。日本三大民謡の一つとして、花柳界などを通じて全国に広まった。

【歴史】

磯節は、茨城県水戸市にもほど近い那珂湊や大洗、磯浜の海で、漁師たちが櫓を漕ぎながら声を合わせて唄った舟唄が母体になったと伝えられています。安政年間にはすでに豪快さのなかに情緒を漂わせる唄として三浜一帯に広まっていたとされ、やがて三味線の伴奏がついた座敷唄となり、花柳界で洗練されて格調高い民謡へと育ちました。江差追分、郡上節と並ぶ日本三大民謡の一つに数えられます。

【特徴】

磯節は三味線や太鼓、笛の囃子を伴う陽気で威勢のよい唄として知られ、「磯で名所は大洗様よ、松が見えます、ほのぼのと」の一節がとりわけよく知られています。「水戸の三浜で那珂川ァぬけて」と唄い出す前歌もあり、細かく揺れる節回しと歯切れのよい間の取り方が身上とされます。座敷で磨かれた粋さと、荒海に出る男たちの豪快さが同居する点に、他の民謡にはない大きな魅力があります。

【楽しみ方】

磯節は唄うだけでなく踊りとしても長く親しまれ、華やかな着物姿で舞う演目は宴席や地域の祭りに欠かせない出し物となっています。水戸や大洗、ひたちなかでは保存会が稽古と公演を重ねており、水戸の梅まつりなどの催しでは生の唄と三味線の演奏に触れることができます。地元の自治体が節回しを解説する動画も公開しているので、聴きながら口ずさんでみるのも磯節の楽しみ方の一つです。

【トリビア】

磯節を全国に広めたのは、水戸出身の第十九代横綱・常陸山の付き人を務めた、盲目の按摩師・関根安中だと伝えられます。本名を丑太郎といい、巡業先の各地で披露した独創的な節回しと澄んだ唄声が評判を呼び、明治の大横綱として絶大な人気を誇った常陸山の名声とも相まって、磯節は一気に全国区の民謡となりました。今も三浜の人々が誇りとする郷土の宝であり、茨城を代表する唄として歌い継がれています。

📅 最終更新: 2026/9/6
磯節
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です