石戸蒲ザクラ

(いしとかばざくら)
📍 埼玉県 北本市🌿 自然

【概要】

樹齢約800年、エドヒガンとヤマザクラの自然交雑種とされる世界でここだけの固有種「カバザクラ」。かつて源頼朝の異母弟・範頼の伝説が残る聖なる桜です。

【歴史】

石戸蒲ザクラ(いしとかばざくら)は、埼玉県北本市石戸宿の東光寺境内に自生する、推定樹齢約800年の巨木桜です。大正11年(1922年)に国の天然記念物に指定されました。名前の「蒲(カバ)」は、かつて鎌倉時代に源頼朝の異母弟である「蒲冠者(かばのかじゃ)」こと源範頼(みなもとのもりより)が、修善寺で討たれたと見せかけてこの地に逃れ、桜の杖を地に刺したところ根付いて大木になったという伝説に由来します。

【特徴】

植物学的に極めて希少な桜で、エドヒガンとヤマザクラの自然交雑種とされる「カバザクラ」という独自の品種です。世界でも自生している古木はここ東光寺の1本しか存在しないという、唯一無二の学術的価値を持っています。かつては4本の太い幹が立ち並び「日本一の巨大桜」と称されましたが、現在では最後の1本の幹が残るのみです。それでも根回り約7.4メートルの幹から美しい花を豊かに咲かせています。

【見どころ】

例年4月上旬頃に見頃を迎えます。ソメイヨシノよりも少し小ぶりで可憐な、白と淡いピンク色が混ざり合った上品な花を枝いっぱいに咲かせます。静かな東光寺の歴史ある本堂や石塔、板碑などを背景に咲く桜は、都会の喧騒を忘れさせる風情と情緒にあふれています。見頃の時期に合わせて、お茶の接待や地元の特産品販売などを行う「石戸蒲ザクラまつり」が開催され、多くの来訪者で賑わいます。

【トリビア】

世界で唯一の固有種であるこの桜を後世に残すため、北本市や地元保存会により組織的な後継樹の育成・増殖プロジェクトが進められています。バイオテクノロジーや接木によって育てられた子孫木(2世・3世)が、北本市内の公園や学校、さらには全国各地に植樹され、可憐なカバザクラの花を咲かせています。範頼の隠棲伝説と相まって、地域の誇りとして大切に守り継がれている名木です。

📅 最終更新: 2026/7/3
石戸蒲ザクラ
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です