【概要】
稲庭うどんは秋田県湯沢市稲庭地区発祥の手延べうどんで、約350年の歴史を持つ。細く平たい麺は滑らかな舌触りとつるりとした喉越しが特徴。冷たいざるうどんで味わうのが一般的で、上品な味わいから贈答品としても人気が高い。
【歴史】
稲庭うどんは秋田県湯沢市にある稲庭で生まれた手延べうどんで、350年を超える歴史を持ちます。江戸時代初期の寛文年間に、稲庭村小沢の佐藤市兵衛が地元産の小麦粉で干しうどんを作ったのが始まりと伝えられています。元禄期には秋田藩の御用も務め、藩主が他藩への贈答に用いるほどの名品として扱われました。製法は長く一子相伝で守られ、今も伝統的な手延べの技が受け継がれています。
【特徴】
稲庭うどんは手延べ製法で作られる平打ちの細麺で、つるりとした喉越しと上品なコシが持ち味です。乾麺として流通するため保存が利き、贈答品としても長く親しまれてきました。製造には三日ほどかかり、練り・綯い・延ばしの工程を繰り返しながら、細くしなやかな麺に仕上げていきます。透き通るような見た目から絹のようなうどんとも称され、なめらかな舌触りは独特です。
【食べ方】
稲庭うどんの定番は冷たいざるうどんで、比内地鶏の出汁でとったつゆとの相性は抜群です。温かいかけうどんでもおいしく味わえますし、なめこやとろろ、温泉卵を添える食べ方も人気があります。秋田の郷土料理であるきりたんぽと組み合わせて楽しむのもおすすめです。稲庭地区には佐藤養助商店などの老舗が並び、製造工程の見学や試食を楽しむこともできます。
【トリビア】
稲庭うどんの手延べ製法では、生地を縄のように綯うことで内部に細かな気泡を含ませ、独特の食感を生み出しています。秋田の冬の乾燥した気候は熟成に適しており、寒仕込みの麺はとりわけおいしいとされます。乾麺なら常温で長く保存できるため、中元や歳暮の贈り物としても選ばれてきました。稲庭うどんの名は地域団体商標として登録され、産地のブランドが守られています。




