【概要】
富山県高岡市にある射水神社は、越中国で唯一の名神大社に数えられた古社です。もとは二上山の麓に鎮座し、伊彌頭国造が祖神として仰いだ二上神を祀っていました。明治八年に高岡城の本丸跡へ遷され、現在は高岡古城公園の中心に社殿が建ちます。越中総鎮守一宮を称し、梅や桜の名所としても親しまれており、四社の中では最も市街地に近く訪ねやすい一社となっています。
【歴史】
射水神社の創建は奈良時代より前にさかのぼるとされ、古くは二上山の麓に鎮座していました。平安時代の延喜式神名帳では越中国でただ一社の名神大社として記され、朝廷からも重んじられています。明治八年に高岡城の本丸跡へ遷座し、明治三十三年の高岡大火で社殿を焼失したのち、明治三十五年に神明造の社殿が再建されました。
【特徴】
祭神は瓊瓊杵尊で、稲穂を携えて地上に降りたと伝わる神にちなみ、五穀豊穣や産業の守り神として信仰されています。社殿は白木の美しい神明造で、境内は高岡城の堀と土塁に囲まれた公園の静かな一角にあり、市街地とは思えない落ち着いた空気に包まれています。越中総鎮守一宮を名乗る社として、初詣や七五三の時期になると、県内各地から多くの参拝者が絶え間なく訪れます。
【見どころ】
境内には樹齢四百年と伝わる八重紅梅の御神木があり、早春には濃い紅色の花を咲かせます。手水舎を季節の花で彩る花手水や、月ごとに趣向を変える御朱印も人気を集めています。社殿を取り巻く高岡古城公園は加賀藩の前田利長が築いた高岡城の跡地で、堀を巡る水面や桜並木、園内の動物園とあわせて一日かけて散策を楽しむことができます。
【トリビア】
射水という社名は、かつてこの一帯を治めた射水郡に由来しますが、鎮座地が現在の射水市ではなく富山県高岡市にある点は少し紛らわしいところです。遷座前の旧地である二上山の麓には二上射水神社が残り、古い信仰の面影を伝えています。越中国守として赴任した大伴家持も、二上の山の神を万葉集に詠み込んでおり、社の古さを言葉の上からも裏づけています。




