【概要】
今木山は鳥取県鳥取市にある因幡三山の一つで、因幡国庁の跡から南に横たわる山です。山頂には三等三角点が置かれ、標高は90メートル前後から98メートルまで資料によって幅があります。中腹に鎮座する今木神社や、山中に残る城跡とみられる地形が知られ、万葉集に詠まれた「今木の丘」をこの山に重ねる説も郷土に語り継がれてきました。
【歴史】
今木山のふもと一帯は奈良時代の因幡国の中枢にあたり、山の西側に広がる法花寺の集落には因幡国分尼寺があったと推定されています。国分寺の跡はその北に位置し、残された礎石が鳥取市の保護文化財に指定されました。山そのものにも中世の城跡とみられる削平地が残っており、古代から中世まで途切れずに人の営みが重ねられてきた丘であることがうかがえます。
【特徴】
今木山は鳥取県鳥取市にある低い山で、山頂には三等三角点が据えられています。標高は資料によって90メートル前後から98メートルまで幅がありますが、いずれにしても平野からわずかに盛り上がる程度の高さです。北へ向かって国庁の跡がある法美平野が開け、東の甑山、西の面影山とちょうど向き合う位置関係が、三山と呼ばれてきたゆえんをよく示しています。
【見どころ】
中腹に鎮座する今木神社は、拝殿のかたわらに古くから祈願の石と伝えられる石が据えられており、山と信仰の結び付きを今に伝えています。南側には山へ入る道筋があり、木立の合間から平野を見下ろせる場所もあります。道の状態は区間によって差があるため、下草が伸びる季節は歩きやすさを事前に確かめてから向かうと安心です。
【トリビア】
万葉集の巻十に収められた「藤波の散らまく惜しみほととぎす今木の丘を鳴きて越ゆなり」という作者未詳の歌は、一般には大和の今木の地を詠んだものとされています。しかし因幡では、この歌が今木山を詠んだのだという説が古くから語られてきました。国府町町屋には、この歌を刻んだ歌碑が大伴家持の歌碑とともに建てられています。




