【概要】
摂津国の玄関口である神戸の中心に鎮座する古社で、稚日女尊を祀ります。『日本書紀』の神功皇后の記事に創建の由来が記され、朝廷から与えられた「神封戸(かんべ)」が神戸という地名の起こりになったと伝わります。六甲山地と海に挟まれた摂津は、古代の大輪田泊から近代の神戸港へと続く港町と、灘の酒造りを育てた土地です。
【歴史】
『日本書紀』によれば、神功皇后元年(201年)に皇后が海路で帰る途中に船が進まなくなり、稚日女尊の神託を受けて現在の地に祀ったのが生田神社の始まりと伝わります。大同元年(806年)には朝廷から神社に仕える「神封戸(かんべ)」四十四戸が寄せられ、この「かんべ」が転じて神戸の地名になったとされます。摂津国八部郡に属し、延喜式の名神大社に数えられた古社です。
【特徴】
摂津国は現在の兵庫県南東部から大阪府北部にまたがった国で、兵庫県側では神戸と阪神間がこれにあたります。六甲山地が海際まで迫る細長い平地に良港が開け、古代の大輪田泊から近代の神戸港へと海の玄関口が受け継がれてきました。山からしみ出す硬水の宮水と山おろしの寒風に恵まれた灘一帯は日本有数の酒どころで、港の商いと酒造りが摂津の風土を形づくっています。
【見どころ】
兵庫県神戸市中央区にある生田神社は、繁華街の三宮からすぐの場所にありながら、本殿の奥に「生田の森」と呼ばれる鎮守の森を残しています。『枕草子』にも名の挙がる森で、源平の合戦では東の陣が置かれた古戦場でもありました。朱塗りの楼門と社殿、森の中の池と木立が、都市のただ中に静かな別世界をつくり出しています。
【トリビア】
生田神社の社名がそのまま都市の名になった例は全国でも珍しく、神戸という地名は生田の神に仕える家々に由来するとされます。社殿は水害や戦災、阪神・淡路大震災と何度も被害を受けながらそのたびに建て直され、再生の象徴として親しまれてきました。縁結びの神としても広く知られ、毎年の初詣には全国から多くの参拝者が訪れます。




