息栖神社

(いきすじんじゃ)
📍 茨城県 神栖市🏯 歴史⛰️ 名所

【概要】

息栖神社は茨城県神栖市にある古社で、鹿島神宮・香取神宮とともに東国三社の一社に数えられています。常陸利根川に面して一の鳥居が立ち、その両脇には忍潮井と呼ばれる二つの井戸が水辺に口を開けています。主神は道の分かれ目を守る岐神で、交通守護の天鳥船神を配祀します。社伝では日川の地に祀られていた社が現在地へ遷ったと伝えられ、水運の要としても栄えました。

【歴史】

息栖神社の創祀は応神天皇の代と伝えられ、はじめは日川の地に祀られていたとされます。当時この一帯は香取海と呼ばれる内海で、砂洲が次々に陸続きとなって集落が生まれていきました。中州に鎮座していた祠は、大同二年(807年)に平城天皇の勅命を受けた藤原内麻呂によって現在の息栖の地へ遷されたと伝わります。近世には利根川東遷により舟運が開け、息栖河岸は参詣の人々で賑わいました。

【特徴】

主神は岐神で、久那戸神とも書かれ、道の分かれ目に立って災いの侵入を防ぐ神とされています。厄除招福や交通守護のほか井戸の神としても信仰され、水に縁の深い社であることを今に伝えます。相殿には、国譲りの神話で使者を運んだ船を神格化した天鳥船神と、海上守護の住吉三神を配祀します。松と杉の老木が続く参道の奥には、弘化四年に建てられた神門が構えています。

【見どころ】

常陸利根川に面した一の鳥居のそばには、忍潮井と呼ばれる二つの四角い井戸があり、それぞれ小さな鳥居が立てられています。水底をのぞくと瓶の形が見え、白御影石で銚子の形をしたものを男瓶、やや小ぶりで土器の形をしたものを女瓶と呼びます。周囲が海水だった時代も真水を湧かせ続けたと語られ、伊勢の明星井、山城の直井と並んで日本三霊泉の一つに数えられてきました。

【トリビア】

地図の上で東国三社を線で結ぶと直角二等辺三角形に近い形が浮かび上がり、その直角の頂点にあたるのが息栖神社だといわれます。三社を結ぶ二辺の長さが九キロ前後でそろうことから生まれた見立てで、社伝に基づくものではなく、あくまで俗説として語り継がれてきた話です。忍潮井そのものも神功皇后の代に造られたと伝えられ、この地に重なる伝承の厚みがうかがえます。

📅 最終更新: 2026/9/13
息栖神社
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です