【概要】
飯縄山は長野県長野市にある標高1917メートルの成層火山で、北信五岳のなかでは最も南に位置し、長野盆地からいちばん近くに見える一座です。山に祀られる飯縄権現は烏天狗が白狐に乗る姿で表され、戦勝の神として上杉謙信や武田信玄ら中世の武将の信仰を集めました。覚え言葉「まみくとい」の最後の「い」にあたります。
【歴史】
飯縄山は古くから山岳信仰の霊山とされ、飯縄権現を祀る修験の道場が開かれてきました。飯縄権現は剣と索を持つ烏天狗が白狐に乗る姿で表され、戦勝の神として中世の武将たちに広く信じられます。上杉謙信が兜の前立に飯縄権現の像を掲げたことはよく知られ、武田信玄や細川政元らも厚く信仰したと伝えられ、この山は剣術や忍術の修行の地としても語られてきました。
【特徴】
飯縄山は標高1917メートルの成層火山で、山頂は二つの峰に分かれています。手前の峰には飯縄神社の奥宮が祀られ、その先の峰に三角点が置かれています。北信五岳のなかでは最も南に構えるため長野盆地からの距離が近く、市街地の背後に大きく裾を広げた姿で見えます。西には戸隠の岩峰が、北には黒姫山や妙高山が続きます。
【見どころ】
南の麓の一の鳥居から続く登山道には、不動明王に始まる十三の石仏が並び、ひとつずつ数えながら登る参道の趣が残っています。山頂に立てば眼下に善光寺平が広がり、千曲川が盆地を貫いて流れる様子や、北信五岳のほかの四座を見渡せます。雪の積もる時期は山の状況が大きく変わるため、出かける前に最新の情報を確かめておきたいところです。
【トリビア】
飯縄山の名は、山でとれる飯砂に由来するとされています。飯砂はテングノムギメシとも呼ばれる微生物の集まりで、凶作の年に飯縄三郎天狗がこれを配って人々の飢えを救ったという言い伝えが残ります。飯縄権現の信仰は各地へ広がり、東京の高尾山薬王院は飯縄大権現を本尊として祀っています。飯縄山は日本二百名山と信州百名山のひとつにも数えられています。
