【概要】
一之宮貫前神社は、群馬県富岡市にある上野国一宮。参道入口の鳥居から石段を下った先に社殿がある「下り宮(くだりみや)」の代表格。社殿は豪華絢爛な「貫前造」と呼ばれる様式で、国の重要文化財に指定されている。
【歴史】
一之宮貫前神社は群馬県富岡市に鎮座する上野国の一之宮で、創建は安閑天皇元年(6世紀前半)と伝わる古社です。武神の経津主神と、農耕や機織りの神である姫大神の二柱を祀ります。現在の本殿・拝殿・楼門は1635年(寛永12年)に江戸幕府三代将軍・徳川家光が造営したもので、1698年(元禄11年)には五代将軍・綱吉によって大規模な修理が行われ、極彩色の漆塗りが施されました。
【特徴】
参道の石段を上って総門をくぐると、そこから社殿に向かって石段を下るという「下り宮」の配置が最大の特徴で、日本三大下り宮の筆頭に挙げられます。本殿は単層二階建ての「貫前造」と呼ばれる独特の様式で、内部に上下二層の空間を持ちます。本殿・拝殿・楼門は国の重要文化財に指定され、朱塗りの社殿に施された彫刻や彩色は、日光東照宮にも通じる江戸初期の華やかさを伝えています。
【見どころ】
総門から見下ろす社殿の眺めは一之宮貫前神社ならではの絶景で、杉木立の谷間に朱の楼門と拝殿が浮かび上がるように見えます。境内には樹齢を重ねた藤の古木や、養蚕の神を祀る末社もあり、かつて絹産業で栄えた富岡の信仰の歴史を感じられます。上信電鉄の上州一ノ宮駅から徒歩圏で、世界遺産の富岡製糸場とあわせて訪れる参拝者も多い場所です。
【トリビア】
毎年12月8日に行われる鹿占神事は、鹿の肩甲骨を焼いてひび割れで吉凶を占う古代の卜占を伝える神事で、国の選択無形民俗文化財および群馬県指定の無形民俗文化財となっています。この占いを今も行うのは全国で数か所しかないとされます。また12年に一度、申年の12月に仮殿へ神霊を移し、翌酉年の3月に本殿へ戻す式年遷宮が続けられており、神社の建築と信仰を守る仕組みとなっています。




