【概要】
市房山は宮崎県西米良村と熊本県の県境に立つ標高約1721メートルの山で、米良三山の最高峰です。古くから「お岳さん」と呼ばれて球磨・米良地方の信仰を集め、中腹には市房神社が鎮座します。五合目まで車で入れる登山口が整えられており、山頂からは霧島連山や九州脊梁の山々を見渡す360度の大きな展望が広がります。
【歴史】
市房山は九州山地の南部にそびえる標高およそ1721メートルの山で、古くから地元の人々に「お岳さん」と呼ばれて信仰を集めてきました。中腹には市房神社が鎮座し、旧暦3月15日には山を拝む「お岳参り」が営まれてきたと伝えられます。参道の両側にはおよそ700年から800年の樹齢とされる杉の巨木が並び、人々が登拝を重ねてきた長い歴史を今に伝えています。
【特徴】
市房山は祖母山と国見岳に次いで宮崎県で3番目に高い山とされ、遠くから眺めても見分けがつく三角形の美しい山容が特徴です。宮崎県西米良村にある五合目の登山口は標高およそ980メートルで、山頂までの標高差は約740メートル、歩行距離はおよそ7キロメートルほどになります。序盤は杉林の中の緩やかな登りが続き、高度を上げるにつれて視界が開けていきます。
【見どころ】
最大の見どころは山頂から広がる360度の展望です。晴れた日には熊本県側へと落ち込む山並みや、南に連なる霧島連山、九州脊梁の峰々、そして一ツ瀬川を挟んで向かい合う石堂山までを一望できます。七合目のあたりには避難小屋が設けられ、登山道は春の新緑から秋の紅葉まで季節ごとに表情を変えて登る人を迎えてくれます。
【トリビア】
山頂の近くには「心見の橋」と呼ばれる奇岩があります。岩の裂け目に大きな石が挟まったもので、心の正しい者しか渡ることができないと古くから伝えられてきました。なぜこの位置に石が挟まったのかは分かっておらず、登山者の語り草になっています。市房山は石堂山、天包山とともに米良三山に数えられ、その最高峰として親しまれています。




