日向備長炭

(ひゅうがびんちょうたん)
📍 宮崎県 美郷町🥢 名産📦 その他🏯 歴史

【概要】

日向備長炭は、宮崎県で生産される備長炭。アラカシを主な原木とすることが多く(ウバメガシも使用される)、紀州や土佐に比べてやや柔らかいのが特徴。その分、着火しやすく、独特の柔らかな炎を出すため、焼き鳥や焼き肉店などで重宝される。

【歴史】

日向備長炭は宮崎県美郷町を中心に焼かれる白炭で、県内生産のおよそ八割をこの町が占めるといわれます。土地の炭焼きは江戸時代から四百年ほどの歴史を持つと伝えられ、山深い集落の暮らしを支えてきました。令和3年(2021年)には日向備長炭の製炭技術が宮崎県の無形民俗文化財に指定され、窯元の数が大きく減るなかでも、若い担い手が伝統の技を受け継ごうとする動きがみられます。

【特徴】

紀州や土佐がウバメガシを使うのに対し、美郷の山にはウバメガシが自生しないため、日向備長炭の原木には焼くのが難しいとされるアラカシが用いられます。アラカシの炭は紀州のものよりやや柔らかく、そのぶん着火しやすいのが持ち味です。窯出しの後に消し粉をかけて急冷する白炭の工程は紀州や土佐と変わらず、焼き上がった炭の断面は白っぽく輝き、叩くと金属のような高い音を響かせます。

【見どころ】

産地では、炭木を詰める窯本体とは別に「小窯」と呼ぶ焚き口を設ける独自の造りや、三十日を超える長い乾燥の工程など、この土地で独自に磨かれてきた技法が守られています。窯の炎の色と立ちのぼる煙の様子だけで焼き上がりを判断する職人の勘は、言葉では伝えきれない領域の技です。宇納間備長炭の名で売られる品を扱う直売所もあり、旅の土産として気軽に選ぶことができます。

【トリビア】

備長炭は遠赤外線を多く放ち、食材の表面を素早く焼き固めて旨味を閉じ込めるため、鰻の蒲焼きや焼き鳥の職人に古くから選ばれてきました。なかでも日向備長炭は火付きのよさと扱いやすさから、全国各地の飲食店より注文が寄せられています。近年は炭を細かく砕いた食品用のパウダーや石けんなど、燃料という枠を超えた商品も次々に生まれており、産地に新しい収入の道を開いています。

📅 最終更新: 2026/9/6
日向備長炭
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です