広戸風

(ひろとかぜ)
📍 岡山県 奈義町🌿 自然🎭 文化⛰️ 名所

【概要】

岡山県北東部、那岐山(なぎさん)の南麓に吹き降ろす北寄りの強風です。台風が四国の南海上や瀬戸内海を通過する際に発生しやすく、風速が50メートルを超えることもあります。「広戸」は奈義町の旧地名です。

【歴史】

広戸風は、岡山県北東部の那岐山南麓に吹き降ろす北寄りの強風で、名称は津山市勝北地区の旧広戸村と広戸仙の地名に由来します。文化8年(1811年)の地誌『東作誌』に「山下風」として被害が記録され、文政8年(1825年)の大風では建物と稲が壊滅的な被害を受け、農民一揆が起きたと伝わります。かつては那岐おろしや北悪風などとも呼ばれ、戦後に広戸風の呼び名が定着して日本三大局地風に数えられるようになりました。

【特徴】

広戸風は台風が四国沖や紀伊半島方面から北東へ進むときに発生しやすく、8月から10月の台風期に集中します。津山と鳥取の気圧差が3ヘクトパスカル以上になることが目安とされ、那岐山を越えた気流が南斜面を一気に吹き降ろす典型的なおろし風です。昭和9年の室戸台風では奈義町で約60メートル、昭和34年の伊勢湾台風でも約55メートルの風速に達したとされ、局地風としては破格の破壊力を持ちます。

【見どころ】

広戸風の吹く岡山県奈義町と、津山市勝北地区では、屋敷の北側に樹齢200年から300年に及ぶヒノキやアカマツの防風林「戸背」を巡らせた集落景観が今も残り、風と共に暮らしてきた知恵を間近に見ることができます。那岐山は標高1255メートルの中国山地屈指の名峰で、登山道からは風が吹き降ろす南麓の平野を一望できます。麓には現代美術館もあり、山の景観と併せて訪れる人が増えています。

【トリビア】

広戸風が吹く前には、那岐山の山頂に枕のような形の雲「風枕」が現れ、山鳴りが聞こえてから1時間から4時間後に風が来ると地元で言い伝えられてきました。「田は作らなくても家の木背には肥をやれ」という言葉は、防風林を何より大切にした暮らしを物語ります。平成16年の台風23号では約5500ヘクタールのスギやヒノキが倒れ、被害額は約65億円に達したとされ、現在も観測や研究が続けられています。

📅 最終更新: 2026/9/6
広戸風
※画像はAIによって生成されたイメージ画像です