【概要】
愛媛県大洲市を流れる肱川で、毎年6月1日から9月20日まで行われる鵜飼です。鵜舟と観覧の屋形船が並んで川を下る「合わせ鵜飼」の発祥地とされ、鵜匠の手さばきを間近で眺められるのが最大の魅力です。伊予の小京都と呼ばれる大洲の城下町を背景に、日本三大鵜飼の一つに数えられています。
【歴史】
大洲では1957年に観光鵜飼として肱川の鵜飼が始まり、半世紀を超える歴史を重ねてきました。肱川はかつて大洲藩の城下を潤す川として舟運で栄え、藩主が川遊びを楽しんだ記録も残ります。鵜飼そのものは古事記や日本書紀にも記された1300年以上前からの漁法で、大洲ではそれを観光として蘇らせる際に、鵜舟と屋形船を並走させる独自の形式を編み出し、今日の合わせ鵜飼の姿を作り上げました。
【特徴】
大洲の鵜飼の最大の特徴は、鵜舟と屋形船が横に並んで川を下る合わせ鵜飼で、乗客は手を伸ばせば届くほどの距離で鵜匠の手縄さばきや鵜が鮎を追う様子を見ることができます。屋形船では大洲の郷土料理を味わいながらの観覧が定番で、鵜飼のコースは全国でも最長級の長さを誇ります。大洲城の天守を見上げる川面に篝火が映り、城下町ならではの情緒が鵜飼の夜を彩ります。
【見どころ】
鵜飼の観覧船は肱川の大洲城下から出て、6月1日から9月20日までの期間、雨天や増水時を除いて毎晩運航されます。乗船前には江戸から明治の町並みが残る大洲の城下町を散策し、明治の豪商の別荘だった臥龍山荘や、復元された木造の大洲城天守を訪ねるのがおすすめです。近年は古い町家を改修した宿が城下町に点在し、鵜飼を眺めながらの夕食を楽しめる宿泊プランも人気を集めています。
【トリビア】
肱川は冬に「肱川あらし」と呼ばれる霧が川を下って海へ流れ出す珍しい気象現象で知られ、夏の鵜飼と冬の霧が大洲の二大風物詩です。大洲城の天守は2004年に江戸時代の工法で木造復元され、天守に泊まれる城として注目を集めています。鵜飼の鵜匠は大洲では数少なく、鵜の飼育や訓練も含めて伝統を守る担い手の育成が課題となっており、地元では若い鵜匠の養成に力を入れています。




